2006 Fiscal Year Annual Research Report
非結核性抗酸菌細胞壁糖ペプチド脂質に対する宿主応答の分子機序
Project/Area Number |
16590368
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
小林 和夫 国立感染症研究所, 免疫部, 部長 (20142432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 壮吉 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30244073)
藤原 永年 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80326256)
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Keywords | 結核 / 非結核性抗酸菌感染症 / 細胞壁表層成分 / 病原因子 / 感染防御 / 宿主応答 / 血清診断 / 新規ワクチン開発 |
Research Abstract |
抗酸菌細胞壁表層成分の宿主に対する生物学的活性を免疫原性(抗原決定基、液性および細胞性免疫)、炎症惹起や抗菌防御の視点から解析し、新規診断・治療候補として抗酸菌細胞壁糖脂質や蛋白質の可能性を探索した。代表的な非結核性抗酸菌感染症であるMycobacterium avium complex(MAC)特異的糖脂質ペプチド核を抗原とした血清診断はヒトMAC感染症に高い特異性や感度(90%以上)を示した。血清診断キット(試作)による多施設臨床試験が進行中である。結核菌や弱毒ウシ型結核菌(BCG)などから抗酸菌特異的DNA結合蛋白質(MDP1、分子量28kDa)を精製、遺伝子の塩基配列を決定、生物学的意義を解析した。抗酸菌表層MDP1は抗酸菌細胞質内及び細胞壁に局在していた。細胞質内MDP1はDNA/RNAや蛋白質合成を抑制し、抗酸菌の遅発育性に関与していた。細胞壁MDP1は宿主細胞表面に存在するヒアルロン酸に結合し、抗酸菌の宿主細胞への接着や侵入に関与していた。抗酸菌感染マウスは抗MDP1抗体やinterferon-γを産生した。すなわち、宿主はMDP1に液性及び細胞性免疫応答を示した。これらの結果から、MDP1を標的としたワクチン開発に着手した。MDP1単独やMDP1-DNA複合体でマウスを前免疫し、その後、結核菌を接種し、菌数や免疫学的指標からワクチン効果を評価した。MDP1-DNA複合体前投与により、宿主内生菌数を有意に減少させた。MDP1-DNA複合体の免疫学的作用機序を解析したところ、1)抗MDP1抗体および2)interferon-γ産生誘導が認められた。すなわち、MDP1を標的とした介入は接着や侵入など、感染初期の防御応答に寄与し、新規治療・予防戦略として有望である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Serological test and chest computed tomography findings in patients with Mycobacterium avium complex Iung disease.2007
Author(s)
Kitada, S, Y.Nishiuchi, T.Hiraga, H.Hashimoto, K.Yoshimura, K.Miki, M.Miki, M.Motone, T.Fujikawa, K.Kobayashi, I.Yano, R.Maekura.
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Journal Title
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