2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590373
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
宮崎 修一 東邦大学, 医学部, 助教授 (30120314)
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Keywords | H.influenzae / PMN / Gr-1^<high> / IL-15 / NK cell / BBB |
Research Abstract |
細菌性感染症発症の初期の段階において、好中球(PMNs)が重要な役割を果していることは周知のことである。しかし、本研究で取り扱うHaemophilus influenzaeは細胞内寄生菌の1つであることが明らかとなっている。PMNsは主に細胞外で増殖する病原菌を殺菌するが、細胞内に寄生している病原菌を殺菌できない。しかし、我々の報告を含めここ数年、PMNsには少なくとも2種類のsubpopulationのあることが分かってきた。我々はこの2種類のPMNsの役割に違いがあるという仮説をたてた。Gr-1^<high> PMNsはLPSに対する応答も速やかであることから、H.influenzaeのような細胞内寄生菌による感染症において何らかの応答をしていることが推測された。そこで、まず初めに2つのsubpopulationに分けたPMNsの遺伝子レベルでの種々なサイトカインやそのレセプターの発現量を調べた。その結果、Gr-1^<high> PMNsのIL-15 messengerRNA量がGr-1^<low> PMNsに比べ明らかに多いことが示された。このIL-15はNK cellを活性化して、感染初期の細胞内寄生病原体の殺菌に関っていることが報告されている。そこで、我々はこの点に注目し、感染の最初の段階で集合するPMNsの中Gr-1^<high> PMNsが感染原因病原体が細胞内寄生病原体であると認識すると、NK cellを活性化・集合させると考えている。このを明らかにすべく検討を加えている。現在、得られた成績の中から、論文化可能な部分について、まとめてジャーナルに投稿している。今後さらに検討を加え、BBB通過メカニズムの解析へと展開する予定である。
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