2004 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス核蛋白EBNA3AのBリンパ球不死化における役割
Project/Area Number |
16590380
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸尾 聖爾 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (70292018)
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Keywords | EBウイルス / Bリンパ球不死化 / EBNA3A / RBP-Jκ |
Research Abstract |
Epstein-Barrウイルス(EBウイルス)は正常Bリンパ球をLCLと呼ばれる不死化細胞に変換する。ウイルスの核蛋白質EBNA3AはBリンパ球不死化に必須であることが明らかになっている。Bリンパ球不死化におけるEBNA3Aの作用機序を明らかにするため、EBNA3Aをオン・オフできる組換えEBウイルスを作製し、このウイルスを用いてBリンパ球を不死化してLCLを作製した。このコンディショナルEBNA3A LCLはEBNA3Aオンの状態では増殖したが、EBNA3AをオフにするとLCLの増殖は停止した。 EBNA3AはDNA結合蛋白質RBP-Jκと結合することが知られている。様々なEBNA3Aの欠失変異体を作製し、免疫沈降法を用いて解析を行うことにより、EBNA3Aのアミノ酸170〜240の領域がRBP-Jκとの結合に必須であることを明らかにした。また、EBNA3AはウイルスのCpプロモーターの活性をRBP-Jκ依存的に抑制することも知られている。レポーターアッセイを用いた解析から、Cpプロモーター抑制にはEBNA3Aのアミノ酸170〜240、および300〜386の2つの領域が重要であることも明らかにした。 コンディショナルEBNA3A LCLとEBNA3A変異体を用いた相補アッセイを行うことにより、LCLの増殖に必須のEBNA3Aのアミノ酸領域を決定した。RBP-Jκとの結合に必須の領域(アミノ酸170〜240)、RBP-Jκ依存的Cpプロモーター活性の抑制に必須の領域(アミノ酸300〜386)はどちらもLCLの増殖に必要であった。 以上の結果から、EBNA3AはDNA結合蛋白質RBP-Jκと結合して転写調節因子として機能することによりLCLの増殖に寄与することが明らかになった。
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