2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルファヘルペスウイルス感染の体内動態:侵入から神経への感染初期の伝播経路
Project/Area Number |
16590388
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩崎 琢也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90146027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 智 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事官 (30195630)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / インターフェロン / レセプター / ステロイドホルモン / 免疫組織化学 / ウイルス抗原 / 中枢神経系 / 末梢神経系 |
Research Abstract |
単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)、2(HSV2)型等のアルファウイルスは原則的にはヒトからヒトへの接触で感染が成立する。この接触時に皮膚あるいは粘膜に侵入したウイルスの神経到達・伝播機序を解明することが本研究の目的である。 正常マウスとInterferon α/βレセプター(IfnA/BR)遺伝子欠損マウスにHSV2実験室株を膣壁粘膜に非外傷性に接種し、経時的にウイルス増殖の動態を解析した。また、接種前にdepo-proveraを投与したマウスとしていないマウスを用いて、ステロイドホルモンによるHSV2感受性の違いがこの早期の侵入時に関与しているのかどうかについても検討している。 これまでにウイルスを膣腔内に非外傷性に接種すると、膣壁の扁平上皮に感染が生じ、上皮下の末梢神経を経て、求心性に逆行性に神経節に到達し、その後、直腸、膀胱等の平滑筋層内の神経節に遠心性に、あるいは脊髄を経て延髄までの求心性ルートを経てウイルスの伝播が拡大することを病理学的・免疫組織学的に明らかにした。また、IfnA/BR遺伝子欠損マウスでは正常マウスに比較して、感染初期の病変が重篤化しないことを明らかにした。これは最近のVolstedt et al.(2004)、Luker et al.(2003)らのHSV1感染の結果とは違い、HSV1とHSV2感染におけるIfnA/BRの役割が異なっていると推定される。現在、組織・細胞・遺伝子レベルでの解析を進行中である。
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Research Products
(2 results)