2004 Fiscal Year Annual Research Report
SCID-huを用いたHTLV-1感染キャリアモデルの作成
Project/Area Number |
16590392
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
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Keywords | HTLV-1 / 感染モデルマウス / 骨髄移植 / 臍帯血 / SCIDマウス |
Research Abstract |
1.ヒト血球系を有するマウスの作製:ヒト臍帯血よりFicoll密度遠心法を用いて分離した単核球画分を各種分化抗原に対する抗体を表面に持つ血球分離用磁気ビーズで処理・除去し、linage陰性造血幹細胞を精製した。これを、3Gyの全身γ線照射処理した8週齢Icr-SCIDマウス(5匹)の大腿骨骨髄内に6x10^5cell/10μl/個体で注入した。6週間後、マウスより骨髄細胞を採取し、抗ヒトCD45抗体を用いて、フローサイトメトリーでヒト血球系細胞の定着率を測定したところ、全てのマウス骨髄中において4,0〜15.3%(平均9.4%)のヒト血球の定着が確認された。Icr-SCIDでは移植リンパ球の分化が不完全であることが明らかとなっていることから、現在、より強度の免疫不全であるNOD/SCIDを用いて移植実験を行い、同時にHTLV-1の感染も試みている。また、NOD/SCIDとcommon γ chain或いはRag2遺伝子の同時欠損マウスを用いて、リンパ球分化が十分に達成される事が示されているため、同系統のマウスの分与依頼を継続して行っている。 2.マウスへのHTLV-1感染:野生型マウス(C57BL/6J)骨髄内に、マイトマイシンC処理したHTLV-1感染細胞株MT2を注入し、1ヶ月および2ヶ月後に、同マウスの脾臓、骨髄および末梢血より細胞DNAを精製し、10^5細胞相当のDNAを用いて、HTLV-1ゲノムに対するPCRを行った。同PCRでは10^2個の感染細胞が検出できるが、HTLV-1 DNAの増幅は観察されず、HTLV-1感染が十分に起こっていないと結論した。マイトマイシンC処理で感染力が低下すること、および、腹腔内移入で高い感染効率が得られることが明らかになっていることから、現在、マイトマイシンC未処理MT2を用いて、腹腔内移入法との比較を行っている。
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Research Products
(3 results)