2005 Fiscal Year Annual Research Report
SCID-huを用いたHTLV-1感染キャリアモデルの作成
Project/Area Number |
16590392
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
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Keywords | HTLV-1 / 感染モデルマウス / 造血幹細胞移植 / 臍帯血 / NOD / SCID / NOG / SCID / SCID-hu |
Research Abstract |
1.ヒト血球系を有するマウス(SCID-hu)の作製:ヒト臍帯血より精製したlinage陰性CD34陽性造血幹細胞を、全身γ線照射処理した5週齢NOD-SCIDマウスの大腿骨骨髄内に6x 10^4cell/10ml/個体で注入した。6週間後、骨髄細胞を採取し、抗ヒトCD45抗体を用いて、ヒト血球系細胞の生着率を測定したところ、マウス骨髄中において50-90%(平均72%)のヒト血球の生着が確認された。 2.SCID-huへのHTLV-1感染:ヒト血球の生着が確認されたSCID-huマウス腹腔内に10^5のHTLV-1感染細胞株MT2を注入し、血球細胞へのHTLV-1の感染を試みたところ、ほとんどの例において、末梢血白血球ゲノムへのHTLV-1の組込みがPCRにより確認された。そこで、感染マウスの脾臓及び骨髄より回収した血球を、ヒトCD45抗原を指標に分画し、陽性画分および陰性画分それぞれのゲノムについてHTLV-1プロウイルスの組込みを検討したが、CD45陰性画分にしかウイルス感染は確認出来なかった。この結果は、NOD/SCIDを用いたSCID-huにおいては、ヒトリンパ球の分化が十分に進行しないため、ヒト血球へのHTLV-1の感染が観察されなかったと考えられた。 3.NOD-SCID/IL2R γ-chain Knock-out(NOG-SCID)マウスを用いたSCID-huの作製:ヒトリンパ球の十分な分化を期待して、NOG-SCIDマウスを移植実験に用いた。その結果、NOD-SCIDマウスを用いた場合と同様のヒト血球の生着効率(平均74%)が得られ、さらに、同マウス骨髄中のリンパ球分化をB細胞特異的CD20抗原を指標に計測したところ、8割近くのCD45陽性細胞のB細胞への分化が確認された。今後、同感染マウスへのHTLV-1感染を試みる予定である。
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Research Products
(4 results)