2006 Fiscal Year Annual Research Report
SCID-huを用いたHTLV-1感染キャリアモデルの作成
Project/Area Number |
16590392
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
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Keywords | HTLV-1 / 感染モデルマウス / 造血幹細胞移植 / 臍帯血 / NOG / SCID / SCID-hu |
Research Abstract |
1.NOD-SCID/IL2Rγ-chain knock-out (NOG-SCID)マウスを用いたSCID-huの作製:ヒト臍帯血より精製したAC133陽性造血幹細胞5x10^4個を、全身γ線照射処理した6週齢NOD-SCIDマウスの大腿骨骨髄内に注入し移植した。6週間後、骨髄細胞を採取し、抗ヒトCD45抗体を用いて、ヒト血球系細胞の生着率を測定したところ、マウス骨髄中において33-94%(平均72.3%)のヒト血球の生着が確認された。 2.SCID-huにおけるヒトTリンパ球の分化:上記SCID-huをさらに4ヶ月あるいは6ヶ月飼育し、同脾臓におけるリンパ球の分化を解析したところ、それぞれ20.3%、58.7%の脾臓細胞においてCD3陽性細胞が検出され、Tリンパ球の分化が確認された。さらに、CD3陽性細胞中、CD4(+)CD8(-)、CD4(-)CD8(+)、CD4(+)CD8(+)の細胞が、各々約50%、約20%、約25%存在し、正常なT細胞の機能的分化が示唆された。 2.SCID-huへのHTLV-1感染:ヒト造血幹細胞移植後5ヶ月のSCID-huマウス腹腔内に2x10^6のHTLV-1感染細胞株MT2を注入し、3週間後、摘出した脾臓および骨髄細胞から調整したゲノムDNAを用いて、血球細胞へのHTLV-1の感染をPCR法で計測した。その結果、ヒトCD45陽性脾臓細胞においてHTLV-1プロウイルスの組み込みが検出され、同SCID-huマウスにおけるヒト血球細胞へのHTLV-1感染が確認された。また、非移植マウスにおいては脾臓への浸潤が確認されたMT2細胞が、SCID-huマウスでは骨髄に特異的に集積したことから、脾臓におけるMT2排除機構成立の可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)