2005 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの複製効率と薬剤感受性を規定するウイルス遺伝子領域の解析
Project/Area Number |
16590396
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
宮本 道子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40190821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 隆字 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (40280789)
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Keywords | HCV / レプリコン / インターフェロン / リバビリン / 肝臓癌 / 慢性肝炎 |
Research Abstract |
本研究の目的は、C型肝炎ウイルス(HCV)のレプリコンシステムを用い、HCVのRNA複製効率とインターフェロン(IFN)などの薬剤に対する感受性を規定するウイルスゲノムの領域を明らかにすることである。より効率の良いウイルス培養系の開発や、新たな抗ウイルス治療法の開発の可能性を探る。平成17年度は我々が開発したHCVのウイルス培養系を用いて、ウイルス粒子形成分泌、ウイルスRNAの複製効率やウイルス複製の薬剤感受性に関与するウイルスゲノムの領域の同定を試みた。 キメラウイルスを用いたウイルス複製や粒子形成分泌の責任領域の推定: JFH-1株と他のウイルス株とのキメラウイルスを作製して、ウイルス複製、ウイルス粒子形成分泌などに重要なウイルス遺伝子領域を同定した。ウイルス複製に重要な領域は5'非翻訳領域、NS3ヘリカーゼ領域、NS5bのRNAポリメラーゼ領域であった。さらにこの領域の他にウイルス粒子形成分泌に重要な領域が存在することが明らかとなった。 サイクロスポリンのHCV複製に対する有効性の検討 最近HCVに対する新たな抗ウイルス剤としてサイクロスポリンAが注目されており、またRNAポリメラーゼの阻害薬なども実用化されつつある。これまで遺伝子型1bのレプリコンに対してサイクロスポリンが効率よく複製を阻害することが報告されている。今回、遺伝子型2aのレプリコンに対してもサイクロスポリンが有効であることが明らかとなった。しかし、その作用機序は遺伝子型により異なることも示唆された。
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Research Products
(12 results)