2004 Fiscal Year Annual Research Report
変異ヒトγδ型T細胞受容体の立体構造解析による非ペプチド性抗原認識機構の解析
Project/Area Number |
16590402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 義正 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90280700)
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Keywords | γδ型T細胞 / 非ペプチド性抗原 / ピロリン酸モノエステル / アルキルアミン / 結核菌 / T細胞受容体 / 病原性大腸菌 / マラリア |
Research Abstract |
ヒトγδ型T細胞は、結核菌、マラリア原虫、病原性大腸菌O157などの産生するピロリン酸モノエステル系化合物や、プロテウスなどの産生するアルキルアミン系化合物を認識し、感染免疫において重要な役割を果たしている。また、それら非ペプチド性抗原をパルスした腫瘍細胞を効率よく傷害することから腫瘍免疫においても重要な役割を担っていると考えられている。今年度は、ヒトγδ型T細胞による非ペプチド性抗原認識において最も重要な役割を果たすγδ型T細胞受容体の細胞外領域を大腸菌で封入体として産生し、リフォールドを行い、精製後、結晶化を行った。具体的には、γ鎖およびδ鎖として、γδ型T細胞の増加していた成人末梢血中において、最も高頻度に検出された配列をクローニングし、それらを組み合わせたγδ型T細胞受容体を野生型とした。さらに、γK108A、γK109A、δR51A、δL97Aの各アラニン点変異体を作製した。また、γ鎖において野生型のCDR3領域のVとQの間にアラニンを1つから5つ添加した変異体も作製し、野生型およびそれぞれの変異型γδ型T細胞受容体の細胞外領域タンパク質を調製した。その際、もともとのヒト型遺伝子配列を大腸菌に組み込んだ場合において、全くタンパク質の発現がみられなかったため、リボソーム結合部位の改変、スペーサー領域の改変、コドンのサイレント変異などを行い、塩基配列をヒト型から大腸菌型に改変した。これらの塩基配列変換により、大腸菌培養1リットルあたり300mg程度の封入体の産生がみられるようになった。結晶化に関しては、野生型T細胞受容体に関しては、0.2mm程度の結晶が再現性よく得られた。来年度は、今年度得られた結晶に関して構造解析を行うとともに、その他の変異型T細胞受容体に関しても、結晶化と構造解析を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)