2004 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞を用いた新規免疫アジュバントの同定及びその作用機作の解明
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16590403
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Keywords | 樹状細胞 / Toll様受容体 / IκBキナ / I型インターフェロン / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
樹状細胞は、種々の病原体成分、免疫アジュバントを認識することにより活性化され、引き続きT細胞を活性化することにより、獲得免疫の成立に関与する。この過程に関与するToll様受容体ファミリーと呼ばれる一群の膜タンパクの機能、シグナル伝達に関する解析を行った。これまで、TLR7は、抗ウイルス活性を持つイミダゾキノリン誘導体を認識することを明らかにしていたが、今年度、ウイルス由来の1本鎖RNAがTLR7リガンドとして機能していることを明らかにした。興味あることに、宿主由来の1本鎖RNAもTLR7リガンドとして機能しうることも明らかになり、この点は、TLR7の機能に関して今後解明されるべき課題となった。また、2本鎖RNAを認識するTLR3,LPSを認識するTLR4によるI型インターフェロン(IFN)の誘導に、IκBキナーゼファミリーの中のinducible IκB kinase(IKKi/IKKε),TANK-binding kinase 1(TBK1)が関与していることを遺伝子欠損マウスの解析により明らかにした。また、TLRシグナルばかりでなく、ウイルス感染によるI型IFNの誘導にもIKKi,TBK1が関与していた。IKKi,TBK1は構造上類似しているが、IKKi単独欠損マウスでは異常がないこと、およびIKKi/TBK12重欠損マウスではTBK1単独欠損マウスで認められるより障害が著名であることから、IKKiよりTBK1の重要性が相対的に高いものの、IKKi、TBK1は協調して機能していると考えられた。
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Research Products
(6 results)