2005 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞を用いた新規免疫アジュバントの同定及びその作用機作の解明
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16590403
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
改正 恒康 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Keywords | 樹状細胞サブセット / Toll様受容体 / IκBキナーゼ / I型インターフェロン / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
樹状細胞の成熟分化刺激として、Toll様受容体(TLR)と呼ばれる樹状細胞上の一群の膜タンパクは極めて重要である。その樹状細胞への効果は、TLRの発現パターンばかりでなく、樹状細胞のサブセットにも大きく依存している。したがって、サブセットごとに免疫アジュバントの作用機作を解析することが重要である。まず、種々のサブセットを用いて新規の樹状細胞活性化因子、すなわち免疫アジュバントをスクリーニングした。ヒトの実験系においては、CpGモチーフを持つRNAが単球系の細胞を刺激すること、そしてそれが既知のTLRを介していないことが明らかとなった。また、マウスの実験系においては、寄生虫由来の成分の中に骨髄由来樹状細胞からIL-12を誘導する活性が明らかとなった。この誘導活性は、TLRシグナル伝達に必須のアダプター分子MyD88に依存しており、TLRのいずれかが関与すると考えられた。また、シグナル伝達分子IκBキナーゼα(IKKα)がサブセット特異的な機能に関与することを明らかにした。形質細胞様樹状細胞(PDC)というサブセットは、TLR7/9刺激でI型インターフェロン(IFN)を産生するという特徴を持つ。この機能がIKKα欠損マウスにおいて著明に障害されていた。一方、TLR7/9刺激による炎症性サイトカイン産生誘導の障害は軽度であり、その他のTLRシグナルに異常はみとめられなかった。IKKαはサブセット特異的な機能に選択的に関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)