2005 Fiscal Year Annual Research Report
Notchレセプター糖鎖転移酵素フリンジのTリンパ球特異的ジーン・ターゲティング
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16590407
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岸原 健二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (80214774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 洋一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10294670)
九十九 伸一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10346596)
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Keywords | Notch / フリンジ / 糖鎖 / Tリンパ球 / ジーンターゲティング / 遺伝子改変 / 細胞分化 / 細胞系譜 |
Research Abstract |
Notch(Notch1-4)は膜型受容体であり、とくにNotch1からのシグナルはリンパ球系前駆細胞からのT細胞の発生・分化に必須である。NotchとNotchリガンドの相互作用は、Notchの糖鎖付加に影響されるが、それを司る酵素のひとつがfringe(哺乳類では3種類:lunatic, manic and radical fringes)である。しかしながら、T細胞の発生・分化におけるNotchの糖鎖付加の意義は、まだ十分解明されていない。我々はTリンパ球の発生過程で、lunatic fringe(Lfg)が胸腺細胞の分化段階でその発現レベルが著明に変化することを見出した。したがって、LfgによるNotchの糖鎖付加がT細胞の発生・分化に関与することが示唆された。そこで、Lfg遺伝子の完全欠損マウスは胎生致死であることから、Lfg遺伝子のTリンパ球特異的ジーンターゲティングを試みた。しかしながら、その過程において、カナダの研究グループが先行してLfg遺伝子のTリンパ球特異的ジーンターゲティング作製に成功したため、我々は研究内容を変更してLfgのT細胞の発生・分化に関与を胸腺器官培養法を用いたin vitroでの研究を中心に展開し、以下の研究成果を得た(論文投稿中)。リンパ球系前駆細胞におけるLfg遺伝子の過剰発現や発現抑制のTリンパ球の発生・分化に与える影響を詳細に解析した結果、リンパ球系前駆細胞におけるlunatic fringeの高い発現は、その細胞自身のNotchシグナルを増強しT細胞への分化を正に調節するが、一方、Notchリガンドを競合することによって隣接する前駆細胞のT細胞への分化を負に調節すること(細胞非自立性経路)を明らかにした。つまり、T細胞の発生・分化を促進するためのNotchシグナルの閾値を設定するLfgの新規の役割が明らかになった。
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