2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症患者の事前意思表示とQOLに関する研究
Project/Area Number |
16590417
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 道哉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70221083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濃沼 信夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60134095)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 事前指示 / QOL / インフォームド・コンセント / 自己決定 / 緩和ケア / 尊厳死 / 自殺幇助 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis、以下ALS)は、運動ニューロンを系統的・選択的に障害する進行性難治性の神経変性疾患である。一般的に意識、精神活動は、最後まで正常であり、療養は長期にわたる場合が少なくない。ALS患者本人と家族のQOL向上を図るために事前に意思表示することが、自己決定を尊重する上で重要であると考えられる。本年度の成果は、次の通りである。 (1)内外の文献、データを網羅的に検索し、ALSにおける事前指示(書)の実態について精査した。また、入手しうる事前指示(書)と運用手順を蒐集した。 (2)事前指示があった場合に、尊厳死、自殺幣助が可能となるか否かについて、内外の文献、データを網羅的に精査した。特にALS患者の自殺幇助の合法化を巡る議論が各国で活発化していることがわかった。イギリス:患者自殺幇助法案(2004年1月)、南オーストラリア:医療処置と緩和ケアの同意書(2004年7月)、フランス:末期患者の権利法(2004年11月)等を蒐集分析した。 (3)研究代表者らが策定し、宮城県で53人のALS患者が既に活用している療養者手帳「サポート」における「事前指示」について、利用者からヒヤリングを行った。「事前指示内容を決める際の話し合いが十分行われること」「随時内容更新が可能であること」が活用の前提条件として挙げられた。 (4)ALS等神経難病の診療にあたる医師、ケアを担当する看護職への郵送自計調査の結果を踏まえ、ALS療養者ご本人に対する調査票案を作成、日本ALS協会役員に案を諮り、調査票をブラッシュアップした。調査項目は「事前指示のメリット」「事前指示が普及しない阻害要因」「事前指示を普及させる方策」「既に行っている事前指示の内容」「事前指示の方法」「提出時期」「これから行いたい事前指示の内容」「事前指示を行っていない理由」「プロフィール」「自由記載」等の24項目である。
|
Research Products
(7 results)