2004 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症に関わるニコチン受容体の遺伝子多型と機能異常の解析
Project/Area Number |
16590435
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
恒枝 宏史 富山医科薬科大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20332661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉知 正佳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80019603)
角田 雅彦 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (30322762)
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Keywords | ニコチン受容体 / アセチルコリン / 統合失調症 / 一塩基多型(SNPs) / 遺伝子多型 / 脱感作 / プロテインキナーゼC |
Research Abstract |
1.統合失調症の発症にα7ニコチン受容体系の異常が関与するかどうかを明らかにするため、同意を得た日本人統合失調症患者70名、健常者100名を対象に、α7ニコチン受容体遺伝子(CHRNA7)における一塩基多型(SNPs)の解析を行った。群間でアレル頻度に有意差のあるSNPsは認められなかったが、統合失調症患者のみに認められる変異として、exon10に新規のSNP11(EX10+277G→A)を見出した。 2.SNP11はα7ニコチン受容体の423番目(細胞質側)のアミノ酸をグリシンからセリンへ置換させる変異であり、この変異受容体を人工的にアフリカツメガエル卵母細胞に発現させ、薬理学的特性を電気生理学的に検討した結果、プロテインキナーゼC(PKC)活性化剤phorbol-12-myristate-13-acetateが、変異受容体の活性を選択的に抑制することを明らかにした。このことから、SNP11によるアミノ酸置換に伴い、PKCを介する受容体の脱感作が促進され、統合失調症におけるα7ニコチン受容体の機能低下の一因となる可能性が示唆された。 3.統合失調症の治療(および研究)に有用な新規α7ニコチン受容体作用薬を開発するため、アフリカツメガエル卵母細胞-遺伝子発現系を用いて、毒ガエルおよびホヤアルカロイドの薬効を解析し、α7受容体の選択的遮断薬としてアルカロイド205Bを見出した。 4.培養ラット大脳皮質神経細胞において、脳由来神経栄養因子BDNFの発現が電気刺激により増加するが、細胞内CaストアのCa遊離阻害剤dantrolene存在下ではその効果が消失することを見出し、神経活動度に依存した遺伝子発現調節機構にCaストアが関与することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)