2004 Fiscal Year Annual Research Report
モルヒネ疼痛治療におけるモルヒネ関連遺伝子多型を用いたオーダーメイド医療への基盤研究
Project/Area Number |
16590436
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大橋 京一 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 教授 (20137714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 研二 東海大学, 医学部, 教授 (30349336)
兵頭 一之介 国立病院四国がんセンター, 内科医長
橋本 久邦 国立大学法人浜松医科大学, 医学部附属病院, 教授 (10009558)
内田 信也 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助手 (80372522)
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Keywords | モルヒネ / UGT2B7 / オピオイド受容体 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
モルヒネの薬効には大きな個人差が認められ、モルヒネの薬物体内動態や薬力学に関する臨床薬理学的検討を通し、適正使用への応用が求められている。モルヒネは、主に肝臓のUGT2B7によりグルクロン酸抱合され、M-3-GとM-6-Gとなる。UGT2B7には802番目の塩基がCからTへ変異するUGT2B7^*2(802C/T)が認められている。また、モルヒネはオピオイドμ受容体に親和性が高いが、μ受容体の遺伝子にも遺伝子変異(118A/G)が報告されている。我々はモルヒネ投与中の癌患者においてM-3-G/モルヒネ(M)及びM-6-G/M血中濃度比率を検討し、経口投与時、点滴静注時ともに10倍以上の個人差を認めた。このM-3-G/M率並びにM-6-G/M率はUGT2B7活性を反映していると考えられ、UGT2B7の遺伝子多型が関与する可能性を示唆した。さらに、UGT2B7のプロモーター領域に新しい遺伝子変異(-161C/T)を見いだしており、UGT2B7のexon2にある802C/Tとは連鎖不平衡が認められている。また、オピオイドμ受容体の遺伝子多型について解析中であり、モルヒネ並びに代謝物濃度の情報と関連して検討することにより、モルヒネの個人差の詳細が明らかになる可能性がある。
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Research Products
(1 results)