2006 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の動脈硬化発拡基盤としての高レムナントリポ蛋白血症の病態とその診断法の開発
Project/Area Number |
16590455
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 卓 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20132938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 眞人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10379266)
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Keywords | 高脂血症 / リポ蛋白 / レムナントリポ蛋白 / 動脈硬化症 / コレステロール / 食後高脂血症 / スタチン / RLP-C |
Research Abstract |
われわれは協和メデックス株式会社と共同研究を行い、界面活性剤と酵素の反応により、動脈硬化惹起性の高いCMRコレステロール(CMR-C)、VLDLRコレステロール(VLDLR-C)を前処理工程を加えることなく測定できるホモジニアス系レムナント様リポ蛋白コレステロール測定法を開発することにした。 評価用のVLDL、VLDL-Rの取得は、超遠心法を用いた比重(1.019kg/L)による分画とゲルろ過カラム(SuperoseHR6:Pharmacia社)を用いた粒子サイズによる分画とを組み合わせた方法により行なった。一方、CM、CMRの取得はゲルろ過カラム(Lipopropak XL:東ソー社)を用いて行なった。レムナントコレステロール測定系の構築は、VLDLR-Cとの反応性を有する界面活性剤のスクリーニングを行い、ホスホリパーゼDの添加によりCMR-Cとの反応性を向上させた。界面活性剤のスクリーニングの結果、ポリオキシエチレン-ポリオキシアルキレンブロックポリマーのうちでVLDLR-Cに反応性を有する界面活性剤を見出し、その添加量を至適化してVLDLR-Cに特異的な系を構築した。さらに、本反応系にホスホリパーゼDを添加し、CMR-Cの測定も可能にすることで、VLDLR-CとCMR-Cの両者を前処理工程を加えることのないホモジニアスな系で測定する方法を開発した。 今回われわれが開発したホモジニアス系レムナント様リポ蛋白コレステロール測定法は、動脈硬化惹起性の高いCMR-C、VLDLR-Cを測定できるものである。自動分析装置を用いて前処理工程を加えることなく測定が可能であることから、III型高脂血症や食後高脂血症などによって引き起こされるレムナントリポ蛋白代謝異常を簡便に検出する日常検査への応用が期待される。
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Research Products
(3 results)