2004 Fiscal Year Annual Research Report
穿刺吸引核酸診断による悪性リンパ腫の低侵襲診断法の確立
Project/Area Number |
16590456
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高野 徹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00263236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 幸子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00346222)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 橋本病 / 甲状腺 / イムノグロブリン重鎖 / サザンブロット法 / ベクトレットPCR / 穿刺吸引細胞診 / モノクロナリテイー |
Research Abstract |
悪性リンパ腫を疑う症例に対して手術生検を施行する際、少量の新鮮な組織を取り分けて凍結保存した。最終的に57例の組織を収集した。凍結した検体の一部を削ってゲノムDNAをDNA抽出キットにて精製した。1検体あたり1-3μgのDNAが回収された。検体によっては複数箇所を削ってDNAを抽出した。 抽出したDNAのうち200ngを用いてベクトレットPCR法を行った。反応後のゲル電気泳動の結果、57例中36例でIgH遺伝子のモノクロナリテイーが陽性であると判断された。最終的な病理組織診断との比較では橋本病と診断された10例は全例モノクロナリテイーが陰性であった。これに対して悪性リンパ腫と診断された47例中36例(76.6%)でモノクロナリテイーが陽性であった。モノクロナリテイーの陽性率は悪性リンパ腫の各組織型(Diffuse Large Cell、MALT、Mixed Cellular)の間では明らかな差がなかった。 収集した検体のうち悪性リンパ腫と診断された45例でサザンブロットも同時に施行された。サザンブロットでは45例中33例(73.3%)が陽性であり、陽性率はベクトレットPCR法とほぼ同等であった。 これらの結果よりベクトレットPCR法では200ngの少量のDNA検体で十分に検査が可能であり、また悪性リンパ腫におけるIgH遺伝子のモノクロナリテイーの検出率は従来法のサザンブロットとほぼ同等であることが推測された。今後、実際の患者の穿刺検体を使用したトライアルに移行する予定である。
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Research Products
(6 results)