2005 Fiscal Year Annual Research Report
穿刺吸引核酸診断による悪性リンパ腫の低侵襲診断法の確立
Project/Area Number |
16590456
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高野 徹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00263236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 幸子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00346222)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 橋本病 / 甲状腺 / イムノグロブリン / サザンブロット法 / ベクトレットPCR / 穿刺吸引細胞診 / モノクロナリティー |
Research Abstract |
昨年度までの検討で、橋本病とB細胞悪性リンパ腫の組織標本から少量のDNAを抽出し、ベクトレットPCRにてIgH遺伝子領域を増幅してそのモノクロナリティーを判定することでの診断法の有用性が確認された。本年度は引き続き、実際の患者検体を使用しての解析を試みた。頚部腫脹を主訴として来院した患者に頚部超音波検査を施行し、悪性リンパ腫を疑うような低エコーレベルの結節性病変が認められた患者を選んだ。これらの患者に対してまず穿刺吸引細胞診を施行した。細胞診によって明らかに反応性・炎症性の変化であると判定されたものは除外し、幼弱なリンパ球が認められるなど、悪性リンパ腫の可能性が否定できない症例を対象とした。これらの患者の同意を得た上で、再度腫瘍部を穿刺し、腫瘍細胞を回収した。腫瘍細胞はPBSを入れたチューブに懸濁し、4Cで一時保存の上、遠心して回収した。腫瘍細胞からゲノムDNAを精製し、200ng以上のDNAが回収されたものを解析の対象とした。検体のDNAをTsp509Iで切断し、ベクトレットリンカーを接続した後、BbrPIで切断した。ベクトレットリンカー部とJ領域末端のプライマーを使用してPCRにて増幅した。ゲル電気泳動後、IgH遺伝子のモノクロナリティーを判定した。モノクロナリティー陰性と判定された症例のうち手術生検となった例はなかった。モノクロナリティー陽性と判定された症例のうち1例が手術生検となり最終的な病理診断でDiffuse Large Cell型のB細胞悪性リンパ腫と判定された。
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Research Products
(7 results)