2005 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導量子干渉計による生体磁気計測システムの臨床応用
Project/Area Number |
16590459
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野村 昌弘 徳島大学, 総合科学部, 教授 (00243684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸崎 秀夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70354298)
河野 智仁 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90403683)
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Keywords | 超伝導量子干渉計 / 心臓磁界 / 磁界分布図 / current density map / 心臓活動電流 / 生体磁気システム |
Research Abstract |
心磁図法を用いて、心電図法で捉えられない心筋梗塞症の梗塞ベクトルが検出可能かどうか、Current density mapにより検討した。陳旧性下壁梗塞症例(梗塞群)および健常例(正常群)の心磁図を超伝導量子干渉計で記録した。前胸部36誘導点について、隣接する2点の磁界勾配から各誘導点の電流ベクトルを求めた。前胸部の電流分布のスプライン補間を行い、current density mapを作成して、心室脱分極相および心室再分極相における心起電力を推定した。正常群における心室脱分極(QRS開始後30-40msec)におけるcurrent density mapでは、1つのcurrent densityを認めた。しかし、梗塞群におけるcurrent density map(QRS開始後30-40msec)では、正常群と異なり複数のcurrent densityを認めた。梗塞群では、体表面電位図では複数のcurrent densityを認めない例においても4例で複数の電流源の存在が示唆された。心室再分極相においても、心電図法で検出されない虚血ベクトルを心磁図法のみに検出される症例がみられた。心筋梗塞症の再分極波は、時間の経過とともに正常化することが、しばしばみられる。今回の検討では、心磁図の測定により、current density mapを検討することにより、梗塞例では、心電図に異常を認めない例においても、複数の電流が存在し、心筋梗塞および虚血の残存を明らかにすることが可能と思われた。以上のとおり、心電図法で検出されない梗塞および虚血ベクトルを心磁図法のみに検出でき、心磁図法の臨床的有用性が示唆された。
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