2004 Fiscal Year Annual Research Report
チリ胆嚢がんの危険因子である唐辛子摂取がヒト胆汁中の遊離脂肪酸濃度に及ぼす影響
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16590473
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
土屋 康雄 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60334679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正治 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40018693)
中村 和利 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70207869)
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Keywords | 胆嚢がん / 危険因子 / 胆石症 / 胆汁 / 遊離脂肪酸濃度 / 唐辛子摂取頻度 / 国際研究者交流 / チリ |
Research Abstract |
胆嚢がんの発症頻度が世界で最も高いチリでは、胆石症に加えて赤唐辛子の摂取頻度がその発症と関連することが疫学的研究で明らかにされた。しかし、その基本的な発症メカニズムは今後の課題として残された。本研究は、唐辛子摂取による胆嚢がん発症メカニズムを解明するため、胆石症患者の胆汁中の遊離脂肪酸濃度と唐辛子摂取頻度との関係を明らかにすることである。 平成16年12月にチリ、サンチャゴ市内のチリ大学、医学部を訪問し、海外共同研究者Serra教授とこれまでの進捗状況と今後の研究方針に関する打合せを行った。本年度の実績は以下の通りである。 (1)サンチャゴ市内のチリ大学附属Sotero del Rio病院で胆石症により胆嚢摘出術を受ける患者に対して摘出後の胆嚢から胆汁を採取することの同意書の提出を依頼していたが、12月までに男性16名、女性114名の計130名から同意書が得られた。 (2)同意書が得られた患者から胆汁試料を採取し、採取順に番号を付けた後、チリ大学医学部内で冷凍保存した。帰国時にそれらの試料を手荷物として日本に持ち帰り、-80℃の冷凍庫中に保管した。今後、胆汁中の遊離脂肪酸濃度の測定を行なう予定である。 (3)胆石症患者における唐辛子摂取と胆汁中遊離脂肪酸濃度の関係を明らかにするため同意が得られた130名の患者にスペイン語で書かれた質問書を渡し、患者情報、唐辛子の摂取頻度、食習慣等に関する情報を記入してもらい、それを回収した。 (4)得られた患者情報をコンピュータ入力した。特に重要とした唐辛子の摂取頻度は赤唐辛子と緑唐辛子について調べ、(1)全く食べない、(2)ほとんど食べない、(3)時々食べる(1〜2回/週)、(4)毎日食べる、の4群に振り分けた。 以上のように、今年度までに胆汁中の遊離脂肪酸濃度の測定に取り掛かる準備が整った。今後は、胆汁中遊離脂肪酸濃度をHPLC法により測定し、その結果と質問書から得られたデータを統計学的に解析する予定である。
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