2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590477
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
牧野 芳大 大分大学, 医学部, 教授 (60039930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 紹平 大分大学, 医学部, 助手 (50301396)
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Keywords | 日本脳炎ウィルス / 遺伝子系統樹 / 遺伝子抗体現象 / 中和試験 |
Research Abstract |
日本脳炎ウイルス(JEV)は、ウイルスの分離地をもとに4つの遺伝子型(G1〜4)に分類されている。日本国内のJEVの遺伝子型はG3型に属するとされていた。しかし、1994年以降に分離されたJEVは従来のG3型ではなく、全てタイ北部の株が属するG1型であることを明らかにした。大分、長崎、沖縄、大阪、石川、東京で1965-2001年に分離された23株について、JEV遺伝子のC-prM遺伝子領域(240塩基)の塩基配列をもとに近隣結合法による分子系統樹を作成した。その結果、従来のG3型は更にA,B,C,D,E1,E2のクラスターに分かれることが判明した。しかしこれらのクラスター間で抗原的に差異があるのかについては不明であった。そこで本年度は、これらのクラスター間の抗原性の差異について、ベロ細胞を用い50%プラーク減少法による中和試験を行い検討した。大分県で分離されたウイルス6株[81-241(C),89P49(E1),89P141(E2),95-91(G1),95-167(G1),および03P189]と大分県内で飼育された豚の血清でJEV抗体陽性検体(20検体)を用いた。6種類の各ウイルスを用いた中和試験で、20検体の抗体価の幾何平均値間の多重比較による有意差検定を行った。P<0.05の組合せを有意差ありとした。その結果1981年の株は1989年の2株との間に有意の差が見られた。また、1989年の2株は1995年の1株(95-167)および2003年の株との間に有意の差が見られた。この1995年の2株の間にも有意の差がみられた。しかし2003年の株は95年の株(95-167)および1981年の株との間に有意の差は認められなかった。今回の研究では、C-PrM遺伝子による系統樹をもとにした分類を用いた。C-PrMによる系統樹は中和試験に関与するエンベロープによる系統樹と類似することが報告されている。今回の研究では、中和試験による各系統間の差は明確ではない。しかし、1980年代前半、後半および1990年代以後のJEVで中和に関与するウイルスの抗原性にわずかな差が見られる。更に明瞭にするためには、検体を増やして検査する必要がある。
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