2005 Fiscal Year Annual Research Report
持ち運び可能な肺磁界測定装置の開発と職業性粉じん曝露作業者への応用
Project/Area Number |
16590484
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中館 俊夫 昭和大学, 医学部, 教授 (60155760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英孝 昭和大学, 医学部, 助教授 (70271369)
山野 優子 昭和大学, 医学部, 講師 (30167580)
足立 知永子 昭和大学, 医学部, 助手 (50276557)
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Keywords | 肺磁界測定 / 磁性粉じん / 呼吸機能 / 職業性曝露 / 肺線維症 |
Research Abstract |
1 肺磁界測定装置の改良 肺磁界測定装置の小型化、軽量化による可搬性の向上に関しては、昨年度にほぼ完了していたが、試験的な測定によって、なお測定精度を高める必要があることが判明したため、以下の2点について改良を行った。(1)架台の作成:肺磁界強度は、被検者の胸壁と磁束計の間の距離に大きく影響されるため、計測時に用いる組立式のスケール入り架台を作成するとともに、磁束計による胸壁スキャン時に光センサによってスケールを自動認識させることで、計測時の相互の位置関係が判るようにした。(2)沈着粉じん量の視覚的表示:スキャンによって得られた磁界強度とあらかじめ測定しておいた粉じんの磁性から、肺の各部位の粉じん沈着量を推定し、これを立体的に表示させることで、作業者に判りやすい結果の視覚的表示を工夫した。 2 作業者の測定 アーク溶接作業者に対して、制作した可搬型肺磁界測定装置による計測を、作業の現場で行った。工場内にモーターなどの強い磁場発生源がある場合はそのノイズを避ける必要があるが、測定の場所や時間を工夫することで、作業者の肺内に沈着した溶接ヒュームを、本装置によって感度よく検出できることを確認した。次に弱い磁性粉じん作業として、印刷用トナー取り扱い作業者に対する調査を実施した。この調査では、粉体トナー自体の磁性は十分に検出可能であったが、同時に実施した曝露量測定から推定された累積曝露量が低いため、作業の現場で行う肺磁界の計測でノイズレベルを超える検出を行うことは困難であった。したがって、溶接作業者以外の比較的弱い磁性粉じんに利用するためには、さらなる感度の向上が必要であることが示唆された。今後さらに装置の改良を進める予定である。
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Research Products
(1 results)