2005 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・学童のインフルエンザワクチン接種効果と同居高齢者への発症・重症化予防効果
Project/Area Number |
16590498
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関 奈緒 新潟大学, 医歯学系, 講師 (30270937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20091704)
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Keywords | インフルエンザ / ワクチン / 幼児・学童 / GIS |
Research Abstract |
背景および研究目的:この10年間で我が国のインフルエンザ対策は、社会的、医学的に大きく変化した。本研究の目的は、この現状において有効性の高いインフルエンザ対策の策定と実施に向けたワクチン効果の検討および地理情報システム(GIS)による地域の流行伝搬解析である。 方法:平成17年度は昨年度と同様、佐渡島内の全幼児・学童の保護者を対象とした2004/2005シーズンのワクチン接種状況および罹患に関する調査票を実施し、ワクチン効果の解析を行った。さらにインフルエンザ地域発症情報公開システム構築の予備研究として島内の基幹2病院小児科における2004/2005シーズンのインフルエンザ患者情報を用いてGISによるインフルエンザ発症のマップ作成および疫学解析を行った。 結果および考察:調査票の解析より、2004/2005シーズンの幼児・学童の罹患率は36%、罹患者におけるウイルスタイプの分布では、不明を除外するとB型が65%(A+Bを含む)であった。ワクチン接種率は48%であり、ワクチン接種による罹患の相対危険度は園児0.88(p<0.1)、学童0.83(p<0.05)であったが、昨シーズンに比べいずれも低かった。患者情報のGIS解析では、A型は基幹道路近辺でクラスター状の患者増減を繰り返した後全島に広がるのに対し、B型は一気に全島に広がるという差異が認められた。また、A型、B型とも、6歳以上が6歳未満に先行していることが確認され、地域の流行防止における学童のワクチン接種向上の重要性が示唆された。 今後の展開:2005/2006シーズンでは、成人・高齢者を含む地域のインフルエンザ予防対策に向けて、佐渡島内の22の内科・小児科医療機関のうち、20医療機関の協力を得て患者登録システムの開発を行い、インターネットによる発症マップの公開を開始した。今後本データの解析を行う。
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Research Products
(1 results)