2006 Fiscal Year Annual Research Report
わが国におけるpopulation-basedな双生児登録の構築に関する実証研究
Project/Area Number |
16590507
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
大木 秀一 石川県立看護大学, 看護学部, 助教授 (00303404)
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Keywords | 多胎児家族 / レジストリー / データベース / 代表性 / コホート / 疫学 / population-based / 育児支援 |
Research Abstract |
わが国におけるシステマティックな大規模双生児登録の構築基盤を整備することを研究目的として、双生児登録の実現可能性の科学的評価を行った。 双生児登録の具体的な戦略を検討するためには、経済面、倫理面、法律面、社会的側面など多面的に検討を深める必要がある。不妊治療との関連も含め多胎児家庭を取り巻く社会的・心理的環境についての検討も行った。また、多胎育児支援組織の活動にも目を向けた。わが国よりも多様で、情報も多い海外のツインレジストリーや多胎児育児支援組織の活動内容を検討した。海外の大規模な多胎育児支援組織の活動内容に共通して見られる特徴として、研究を積極的に推進・支援している点、専門家との協力関係を維持している点が挙げられる。また、欧米先進国の多くの国には、ツインレジストリーと呼ばれる多胎研究のための登録がある。ツインレジストリーを構築する方法論を包括的な育児支援に応用可能である。調査研究の結果を調査参加者である多胎児家庭全般にフィードバックすることが日常的に進めば、両者の良好な関係が保たれる。日本においては、これまでツインレジストリー(研究のための多胎児登録)の構築と多胎児家庭の育児支援を両立させると言う考え方自体が存在しない。予め両者を念頭に入れれば多胎児家庭の調査研究に対する参加へのインセンティブが高まり、研究者にとっては社会的な説明責任を果たすことになり双方にとって大きなメリットになる。少なくとも小児期のツインレジストリーの構築においては育児支援を包括することは、コストパフォーマンスがよく、長期的なpopulation-basedツインレジストリーの構築を可能にする有力な方法の一つであると結論できる。 前年度に設立した石川県における全県的な多胎ネットワークは、行政との連携を深め地区ごとの対象者把握と育児支援サポート活動を着実に進めている。
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Research Products
(3 results)