2004 Fiscal Year Annual Research Report
和歌山県における筋萎縮性側索硬化症の疫学的前向き研究-発症率・予後・予後規定因子とQOLに関する研究-
Project/Area Number |
16590511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
紀平 為子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30225015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 一郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40364088)
森田 修平 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50372868)
三輪 英人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50231626)
近藤 智善 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50103891)
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60264876)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / QOL / 危険因子 / 微量元素 / 発症頻度 |
Research Abstract |
(1)H16年度の研究計画と実績 和歌山県でのALSの病因的環境因子と予後関連要因に関する前向き研究を実施し以下の結果を得た。 1)平成16年4月から平成16年11月1日まで、和歌山県の8保健所管轄地域ごとの18歳以上の全ALS患者を同定し登録した。患者の同定は全医療機関を対象としたALS患者のアンケート調査(H16年8月実施)と神経難病相談・神経内科医療相談の機会を通じ、疫学研究に関する倫理指針及び疫学研究に関する倫理指針の施行について(文部科学省・厚生労働省告示第1号)に基づき本人に説明を行い本人の文書による同意を得て行った。和歌山県での最近5年間の年平均発症頻度は人口10万人当たり男性2.72 女性1.79 全体で2.33で男性において高い値を示した。さらに県南部地域では男性9.53を示す多発地域が尚残存していた。 2)予後関連要因として発症年齢、性差、発症部位の差、症状伸展様式とスピード、痴呆合併例とその出現時期、発症前の外傷・手術歴、既往歴、職業歴、有害金属暴露の有無、生活歴上の特記事項につき、対面面接を含むcase-control studyを行った。既往歴が確認されたALS121例,対照とした和歌山県立医科大学神経内科入院患者(1999年と2000年度入院患者のうち40歳以上の患者)197例においてALSで頸椎症を有する者が40例,対照では43例で,ALSで頸椎腰椎の手術歴を有する者14例,対照8例で,いずれもALSにおいて有意に高い値を示した(p<0.05,p<0.01)。頸椎症及びその手術はALSに関連して危険因子と考えられた。 3)経時的臨床経過観察は、El Escorial診断基準に基づき、経管栄養実施時期、人工呼吸器装着時期、療養形態(在宅・施設)、医療・社会的資源の活用状況を記録した。ALS登録患者と家族(介護担当者)に疾病の進行や在宅・入院療養形態の差異、医療・社会的資源の活用の程度と患者・介護者のQOLにつき紀平為子が聴き取り調査とアンケート調査を行った。 4)環境要因として居住地の土壌・河川水・飲料水の微量元素測定のため試料採取と愚者の防御機構の検索として微量元素測定(有害金属、防御作用を有する元素)を行うため、血清・髄液を採取した。
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Research Products
(3 results)