2006 Fiscal Year Annual Research Report
市町村における地域保健活動のエンパワーメントに関する疫学的研究
Project/Area Number |
16590513
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
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Keywords | エンパワーメント / 市町村 / 保健活動 / 疫学 |
Research Abstract |
市町村における地域保健活動のエンパワーメントについて、これまで、構成概念妥当性の検討、記述疫学的な現状分析などを行ってきた。今年度は主として基準関連妥当性の検討を行った。すなわち、市町村保健活動の主観的エンパワーメント度の高い市町村において、保健事業の成果を上げているかを明らかにすることなどを目的とした研究を行った。市町村への調査データに加えて、2005年に全国から無作為抽出した182市区町村のうち、協力の得られた147市区町村(協力率80.8%)の乳幼児健診を受診した児の母親等に自記式調査を行った連結不可能匿名化データと市町村単位に結合して、ロジスティック回帰分析を用いてオッズ比の算出などを行った。市町村保健活動の主観的エンパワーメント度と種々の活動成果との人口および人口当たり保健師数を調整したオッズ比(95%信頼区間)は、乳幼児健診は信頼できて安心1.35(1.07-1.71)、妊娠前および妊娠中に喫煙しないこと1.72(1.24-2.38)で有意に高い結果であった。また個々のエンパワーメントの要素と主観的エンパワーメント度とのオッズ比は、保健計画策定やその他市町村の保健活動のあり方を考える上での地域の組織の協力2.21(1.64-2.98)、地域の健康問題についての市町村長への説明2.18(1.69-2.82)、市町村と地域の保健に関する組織との間での相互の本音の情報交換や提案のやりとり2.11(1.60-2.78)などと有意に高い結果となった。
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Research Products
(6 results)