2005 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉症に及ぼす環境要因の影境に関する分析疫学的研究
Project/Area Number |
16590514
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Research Institution | JICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 講師 (50296092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
尾島 俊之 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50275674)
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Keywords | スギ花粉症 / 疫学 / 危険因子 / 大気汚染物質 / 個人サンプラー |
Research Abstract |
目的:客観的、科学的に測定できるものに焦点をあて、花粉量を考慮にいれた大気汚染曝露と疾病を明らかにすることを目的とした。特にディーゼル排出ガスと大気汚染の関連がある浮遊粒子状物質(TSP, SPM)、粒径2.5マイクロメーター以下の微粒子(PM2.5)について、対象者の個人の曝露量を測定し、影響を評価した。 方法:花粉の飛散する時期である3月に、同意の得られたある地域在住の20歳から65歳の女性を対象に調査票による問診と耳鼻科専門医による耳鼻科検診を受診してもらい、スギ花粉症(症例)とそうでない者(対照)を決定した。さらに、対象者全員に対して花粉のシーズンである期間中の3日間に花粉量(スギ及びヒノキ)と、大気汚染物質であるTSP、SPM、PM2.5の曝露量をサンプラーでそれぞれ同時に測定した。耳鼻科専門医による診断結果に基づく症例群と対照群について、大気汚染物質のオッズ比と95%信頼区間を、多重ロジスティックモデルで花粉曝露量、年齢、両親のアレルギー疾患既往歴、喫煙をモデルに投入し調整することによって求めた。 結果:714人に個人サンプラーをつけて曝露を測定し、大気汚染物質と花粉両者が測定でき、かつ診断が確定した者533人(症例278人、対照255人)を最終的に解析の対象とした。大気汚染物質が花粉症に及ぼす影響を観察した結果、個人サンプラーによるTSP, SPM, PM2.5の個人曝露量のいずれについても症例群が対照群に比べて有意に高いというオッズ比を示した項目は認められなかった。花粉の個人曝露量については、花粉曝露が多い者が少ない者に対して有意に高いオッズ比を示した。また、母親、父親にアレルギー疾患既往歴のある者が、ない者に対して高いオッズ比を示した。
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