2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者の摂食・嚥下障害評価指標の開発とその応用性に関する検討
Project/Area Number |
16590528
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
三浦 宏子 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (10183625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅安 誠 九州保健福祉大学, 保健科学部, 助教授 (00320490)
山崎 きよ子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (20331150)
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Keywords | 在宅要介護高齢者 / 摂食・嚥下障害 / ケアアセスメント / スクリーニング評価 / 口腔ケア / 介護予防 / 日常生活機能 / 介護負担感 |
Research Abstract |
今年度は、在宅要介護高齢者における摂食・嚥下障害リスクの発現状況を把握することを第一の目的にし、併せて口腔ケアの実施状況等の摂食・嚥下障害関連項目についても現状を調べた。 本研究の対象者は、宮崎県延岡市在住の要介護高齢者とその家族介護者87組である。要介護高齢者に対しては、その基本属性、摂食・嚥下障害リスク、要介護、認知機能、日常生活機能(ADL)などの心身の健康状態について調べた。一方、家族介護者については、その基本属性、口腔ケアの実施状況、介護負担感などを調べた。 その結果、摂食・嚥下障害リスクはADLの低下に伴い増加し、要介護度1以上の者では、大部分の要介護高齢者が摂食・嚥下障害リスクを有していることが明らかになった。また、従来、摂食・嚥下障害をおこしていないといわれていた要支援高齢者においても、約半数の者が何らかの摂食・嚥下障害リスクを有していた。また、誤嚥性肺炎の予防に効果的であるといわれている口腔ケアの実施状況については、「実施していない」と回答した者が約7割であり、極めて高い値を示していた。また、口腔ケアの実施状況は、摂食・嚥下障害リスクの発現状況とは有意な関連性を有していなかった。摂食・嚥下障害リスクの発現状況と認知機能との間には、有意な関連性が認められなかった。 これらの結果より、在宅要介護高齢者の摂食・嚥下障害の発症率は非常に高いのにもかかわらず、口腔ケアなどの介護予防アプローチは遅れており、早急な対策の導入が必要であることが明らかになった。特に、要支援高齢者の摂食・嚥下機能の評価は予防的観点からも非常に重要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)