2005 Fiscal Year Annual Research Report
舌癒着症と乳幼児突然死症候群(SIDS)との関係についての基礎的研究
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16590548
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
山本 伊佐夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30277917)
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Keywords | 舌癒着症 / 乳幼児突然死症候群 / 哺乳 / 睡眠 / 組織血液酸素飽和度 / 寝返り / 向き癖 |
Research Abstract |
SIDSと診断された26例に対し全身所見、口腔内所見、解剖所見を調べ、また保護者へ生前のSIDS児の状態について質問調査を行なった。SIDS児の発症月齢は平均4.4±2.3ヶ月、男児13名女児13名同数であった。舌癒着度は確認できた23例中21例が重度、1例が中度、1例が軽度であった。生前の状態を保護者から聴取できた16例について舌癒着症状を分析した結果、寝つきが悪いが12例(75.0%)に(一般では21.4%)、抱き癖および向き癖がともに10例(62.5%)に(一般ではそれぞれ48.2%、36.1%)見られた。発見時体位はうつ伏せが16例(61.5%)、仰向けが10例(38.5%)であった。発見時体位がうつ伏せの16例中11例(不明3例を除く)(84.6%)は、生前の最終確認時体位が仰向けで、つまり寝返りを打った後に死亡していた。その11例中6例(54.5%)は、初めて寝返りをした日から2週間以内に死亡していた。また寝返り後死亡した11例中5例(45.5%)は、一般的な寝返り開始時期である生後5ヶ月より前に死亡していた。今回の調査から、重度の舌癒着症児で、寝つきが悪く、向き癖の症状があり、寝返りを早期に開始する児で寝返りを開始した直後はSIDSの危険性が高いことが示唆された。 舌癒着症児20名に全身麻酔下にて矯正術中、レーザー組織血液酸素モニターを用い頭部と下腿の組織血液酸素飽和度(StO_2)を経時的に測定し解析した(t検定対応あり)。下腿部の平均StO_2値(%)は各々、術前66.3±8.0、術中68.0±7.9、術後69.2±7.6で、術前-術中、術中-術後、術前-術後いずれも高度な有意差でStO_2は増加した。頭部の測定でも同様の結果となり、舌小帯およびオトガイ舌筋前腹切離と同時に呼吸が改善されることが示唆された。
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Research Products
(2 results)