2004 Fiscal Year Annual Research Report
実験的術後縫合創モデルを用いた鍼治療の有効性の検討
Project/Area Number |
16590557
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大野 高政 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80345777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 清剛 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70248037)
藤原 久義 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80115930)
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Keywords | 術後縫合創 / 抗炎症作用 / 鍼治療 / 病理学的検計 / 瘡傷治癒 / 実験動物モデル |
Research Abstract |
本研究では、マウス背部に実験的術後縫合創を作製し、病巣に鍼刺激を与えた後に抗炎症作用が得られるか、病理学的、免疫学的に検討している。マウス実験的術後縫合創モデルではヒトに比べて縫合創の自然治癒が速く、作製する縫合創の重症度および評価時間が重要であった。現在の進捗状況は以下の通りである。 (1)術後縫合創の重症度:肉眼的にスコア法により評価(満点12点)した。この方法では鍼治療の有効性は認められなかった。 (2)病理組織化学(HE染色):表皮内に浸潤しているリンパ球数、および真皮内に浸潤している好酸球数を計数し、両群間で比較した。鍼治療群で表皮および真皮への浸潤細胞数の減少を認めた。また、表皮、真皮厚を画像解析装置により測定したところ、鍼治療群において表皮厚の増加抑制が認められた。 (3)mRNA発現量:経時的(作製2、4、6、8日後)に採取した術後縫合創組織からmRNAを採取し、炎症性サイトカインのmRNA発現量を両群間で比較した(RT-southern法)。炎症性サイトカイン:TNF-α、IL-1β、IL-6の発現量は若干鍼治療群で抑制される傾向を認めたが、再検討が必要である。また今後の改良点として、作製2日目より早い段階での評価も必要である。 (4)酵素発現量:術後縫合創組織における75kDaである組織安定化酵素(Tissue transglutaminase : TG)のタンパク発現量をWestern blot法により両群間で経時的に比較したところ、発現量に差は認められなかった。 (5)血清中炎症性サイトカイン量:本モデルでは縫合創作製による上昇は認められなかった。
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