2004 Fiscal Year Annual Research Report
心理的ストレス・ライフスタイルと酸化的DNA損傷:8-OH-dG産生を指標として
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16590565
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永田 頌史 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (10108722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
三島 徳雄 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (00181876)
岡 孝和 産業医科大学, 医学部, 講師 (60291514)
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Keywords | 酸化的DNA損傷 / 尿中8-OH-dG / 個人内変動 / 職業性ストレス / 試験ストレス / 交代制勤務 |
Research Abstract |
8-Hydroxydeoxyguanosine(8-OH-dG)は活性酸素やフリーラジカルによる酸化的DNA損傷の指標としても重要視されている。我々は、これまでに白血球中や尿中8-Oh-dGは、適度な運動や加齢と負の相関を示すことや、横断的調査で喫煙者、交代制勤務者では高くなることを報告した。 今回は某事業場の従業者92名に対して、平成14,15年度に採取した尿中8-OH-dGを測定し、職業性ストレスや喫煙との関係、同一人による時間的変動について検討した。平成15年度の調査では、喫煙者の尿中8-OH-dGが非喫煙者のそれに対して、有意に高かった。尿中8-OH-dGは個人差が大きく、最大11倍の差が認められるが、個人間の変動は少なく、平成14年度と15年度の値の間は0.915の相関係数が認められた。男女比では、男性の方が高い傾向にあったが有意差は認められなかった。職業性ストレスとの関係では、尿中8-OH-dG値と仕事の裁量度、活気、不安、生活や仕事の満足度との間に有意の負の相関関係が認められた。 ストレスが、8-OH-dG産生に及ぼす影響について、医学部4年生の10名を対象として平成17年2月の定期試験前(1月初旬)と定期試験中(2月中旬)に、心理テスト・採尿・採血を行い、尿中8-OH-dG、血尿コルチゾール、BDFNなどの測定を行っている。対照群として、この時期に試験がない3年生11名を選び、同時期に同じ検査を行った。試料はまだ測定中である。 横断的調査で尿中8-OH-dGと正の相関がみられた交代制勤務に関して、某製造業の交代性勤務者10名に対して、疲労度調査及び昼勤時15時、準夜勤時23時、夜勤時7時の3回、唾液中のコルチゾール、尿中8-OH-dGの測定を行った。現在までのデータでは、唾液中コルチゾールには日内リズムが認められたが、8-OH-dGに関しては、3勤務間で明らかな変動は認められていない。現在、同じ対象者に対して休日の同じ時間帯での調査を行っている。
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Research Products
(3 results)