2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌や非アルコール性脂肪性肝炎の発症・進展に対する脂質シグナルの関与
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16590574
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
堀江 泰夫 秋田大学, 医学部, 講師 (30282164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 純夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20138225)
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Keywords | Pten / ノックアウトマウス / 肝細胞 / クッパー細胞 / 炎症 / 腸内細胞叢 / オステオポンチン / リポポリサッカライド |
Research Abstract |
1.肝細胞特異的Ptenノックアウト(Pten KO)マウスの肝炎発症機序を腸内細菌叢由来のエンドトキシン感受性の観点から検討した。Pten KOマウスでは野生型(WT)マウスに比較して、リポポリサッカライド(LPS)の投与に対して血清ALT値の有意な上昇と肝臓における強い炎症性細胞浸潤が認められた。また、腸内細菌叢からの肝臓へのLPSの移行を阻止する抗生物質をPten KOマウスに投与すると、血清ALT値の上昇と肝臓における炎症性細胞浸潤が抑制された。さらに、Pten KOマウスとWTマウスの肝臓から単離した肝細胞とクッパー細胞にLPSを添加しその培養上清中のサイトカインを測定すると、Pten KOマウスに由来するクッパー細胞で著明なサイトカインの分泌増加が認められた。以上の結果から、Pten KOマウスの肝臓では、腸内細菌叢由来のLPSに対するクッパー細胞の感受性亢進が肝炎の発症に寄与していることを明らかにした。 2.Pten KOマウスとWTマウスの肝細胞に由来するRNAを用いて行ったcDNAマイクロアレイで、Pten KOマウスの肝細胞では炎症に関与する分子osteopontin(OPN)の有意な増加がみられた。 3.OPNはTh1細胞の活性化を介してマクロファージを活性化することにより炎症を促進するサイトカインである。Pten KOマウスの肝臓では、酸化ストレスの蓄積(2004年度実績報告書)と肝細胞におけるOPNの発現増加がクッパー細胞の活性化を引き起こすと考えられる。クッパー細胞の活性化は、腸内細菌叢由来のLPSに対する反応性の亢進を介してあるいは直接肝臓に炎症を惹起すると考えられる。Pten KoマウスはヒトNASHの動物モデルであることから、ヒトNASH症例の中にはPten KOマウスと同じ機序に基づいて肝病変を発症する症例が存在すると考えられる。
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Research Products
(6 results)