2004 Fiscal Year Annual Research Report
レプリコンを用いたC型肝炎ウイルスNS5A蛋白の抗インターフェロン機構解析
Project/Area Number |
16590583
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北原 史章 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50303409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
坂本 穣 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (60324191)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / レプリコン / インターフェロン / インターフェロン誘導遺伝子 / NS5A蛋白 |
Research Abstract |
Genotype1bおよび2aからなるHCV repliconを恒常的に発現する培養肝細胞を確立し、さらに複製発現を解析するために改良を加えたHCV replicon発現定量システムを作成した。Genotypeの相違によりウイルス増殖能およびインターフェロン反応性が異なることを明らかとした。さらに、臨床的にはインターフェロン耐性を示すISDR野生型のNS5A蛋白、およびインターフェロン感受性を呈するISDR変異型NS5A蛋白のHCV replicon増殖に対する作用やインターフェロンに対する反応性を解析し、repliconにおいてもinterferon感受性は臨床症例と同様にISDRの構造に規定されることを明らかとした。インターフェロンは依然としてHCV治療の中心であるが、その抗HCV作用の機序は全く解明されていない。それが、インターフェロン投与による非特異的副作用、あるいは治療効果の限界といった臨床的に大きな問題を打破できない原因となっている。チンパンジーでのHCV感染実験をDNA microarray解析した報告によると、HCV感染に伴い肝蔵内で発現の変化する遺伝子群は極めて限定されており、しかもその主要なものは約30種類からなるインターフェロン誘導遺伝子群であることが明らかとなり、これらの遺伝子のいずれかがインターフェロンによるHCV増殖抑制に中心的な役割を果たしていると考えられる。HCV replicon複製細胞にこれらのインターフェロン誘導遺伝子を個々に発現させてHCV replicon複製能の変化を測定することにより、インターフェロン投与により非特異的に発現する遺伝子の中で、特にHCV増殖抑制に関与しているインターフェロン誘導遺伝子を同定した。その結果、個々のISGsの抗HCV効果には多様性があり、6-16およびGBP1が特に強い抗HCV効果を持つことを明らかとした。
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Research Products
(5 results)