2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内分解高分子ポリマーと骨髄細胞とを組み合わせた小腸の機能再建法の開発
Project/Area Number |
16590590
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲瀬 裕志 京都大学, 医学研究科, 講師 (60362498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Keywords | 小腸再生チューブ / 骨髄細胞 / bFGF |
Research Abstract |
1.小腸再生チューブの作製:昨年までにポリグリコール酸およびポリ乳酸を用いた小腸移植に適応した人工チューブはすでに完成した。さらに、小腸再生に重要と考えられるbFGFの徐放が可能な生体内分解ゼラチンを上記チューブに貼り付けることにも成功した。骨髄細胞を接種したチューブと骨髄細胞が接種されていないチューブを小腸切除後のラットに移植した。移植後2ヶ月および3ヵ月後の骨髄細胞を接種したチューブ内に、小腸上皮が再生していることが確認された。一方、骨髄細胞が接種されていないチューブにおいては、小腸粘膜の再生は認められるものの、軽微であった。以上の結果から、小腸再生に関して骨髄細胞が重要な役割を演じているものと考えられた。 2.再生小腸粘膜の観察:超細経の内視鏡を用いた観察では、小腸上皮内には絨毛上皮の存在が確認された。再生小腸上皮内の免疫担当細胞に関しては、樹状細胞、マクロファージ、T細胞、B細胞などの比率をフローサイトメトリー法により解析した。その結果、正常の小腸上皮に存在するこれらの細胞の比率と再生上皮内に存在する細胞比率に差は認められなかった。 3. GFPラットから採取した骨髄細胞をbFGF含有チューブに接種し、小腸に移植した。その3ヶ月後、移植された骨髄細胞の分布に関して蛍光顕微鏡を用いて確認している。その結果、GFP発現細胞は主として間質に多く認められた。これらの細胞は免疫染色法により線維芽細胞および筋線維芽細胞の性質を兼ね備えていた。これらの結果から接種された骨髄細胞は主として線維芽細胞および筋線維芽細胞に分化する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)