2005 Fiscal Year Annual Research Report
形質細胞様樹状細胞を用いた肝炎・肝癌免疫細胞療法の開発
Project/Area Number |
16590592
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
考藤 達哉 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教授 (80372613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70335355)
平松 直樹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30362700)
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Keywords | C型慢性肝炎 / 樹状細胞 / Th1 / Th2 / Toll様受容体 / ペグインターフェロンα / リバビリン |
Research Abstract |
本年度はペグインターフェロンα(IFN-α)とリバビリン併用療法を受けたC型慢性肝炎患者において、治療経過中、終了後のミエロイド樹状細胞(MDC)、形質細胞様樹状細胞(PDC)を含む免疫細胞分画の推移とDC機能を解析し、治療効果におけるDCの意義を明らかにすることを目的とした。またDCはウイルスの構成成分を感知するToll様受容体(TLR)を発現しており、TLRを介した刺激は免疫応答を効果的に発動させる。本年度は単球由来DCにおけるTLRの発現と機能を解析し、TLRを介したDC活性化の方法を確立することを目的とした。 ペグIFNα/リバビリン併用48週療法を施行したC型慢性肝炎患者を対象にMDC、PDC、Th1、Th2細胞頻度を経時的に解析した。HCVが排除された著効例(SVR)とHCVが再出現した再燃例(TR)とを比較すると、MDC、Th1に関しては両群で差を認めなかったが、SVRではTRに比べて治療中のPDC頻度が高く、Th2細胞頻度が低かった。またSVRでは終了時点以後のDC機能はTRよりも良好であった。以上の結果は、PDC数の維持、DC機能の維持がC型慢性肝炎患者における抗ウイルス療法の治療効果に重要であること、またPDC数、DC機能のモニタリングは治療効果の予測に有用であることを示している。 単球由来DCにおけるTLR2の発現はC型慢性肝炎患者で低下していたが、TLR3、TLR4の発現は非感染者と同程度であった。TLR2、TLR4刺激によるTNF-α、IL-6の産生は患者と非感染者とで差を認めなかったが、TLR3刺激によるIL-12p70の産生は患者DCで高い傾向を認めた。患者DCではTLR2刺激によるT細胞増殖能は低下していたが、TLR3刺激では同等であった。以上の結果はC型慢性肝炎患者DCではTLR2経路が障害されているがTLR3経路は保たれており、DC機能の活性化にはTLR3経路を介した刺激が有用であると考えられた。
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Research Products
(5 results)