2004 Fiscal Year Annual Research Report
胃MALTリンパ腫におけるCARD11の発現と胃温存治療効果に関する研究
Project/Area Number |
16590602
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 昌太郎 九州大学, 大学病院, 助手 (10243932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 三雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00127961)
松本 主之 九州大学, 大学病院, 助手 (10278955)
矢田 親一朗 九州大学, 大学病院, 助手 (00346800)
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Keywords | 胃リンパ腫 / MALTリンパ腫 / CARMA1 / CARD9 / Bcl10 / API2-MALT1 / Helicobacter pylori |
Research Abstract |
胃悪性リンパ腫65例(低悪性度MALTリンパ腫43例、びまん性大細胞型Bリンパ腫6例、両者の併存16例)および慢性胃炎16例を対象とし、組織からmRNAを抽出し、RT-PCR法によりcaspase recruitment domain (CARD)-membrane-associated guanylate kinase protein I (CARMA1)/別名CARD11、CARD9、Bcl10およびAPI2-MALT1キメラ分子の発現を調べた。CARMA1/CARD11分子は胃リンパ腫36例(55%)に発現を認め、胃炎(3例、17%)より高頻度であった。胃リンパ腫におけるCARD9、Bcl10、API2-MALT1分子の陽性率は各々48%、98%、8%であったが、胃炎ではこれら3分子の発現はみられなかった。CARMA1とCARD9の発現は、Helicobacter pylori (H.pylori)陰性例(100%、86%)、API2-MALT1キメラ分子陽性例(100%、100%)およびH.pylori除菌治療無効例(76%、71%)で頻度が高かった。さらに、MALT成分のないびまん性大細胞型Bリンパ腫では、MALTリンパ腫例よりCARMA1の発現が高頻度であった(100% vs. 51%)。以上の結果より、CARMA1とCARD9の過剰発現は胃B細胞性リンパ腫の発生または進展と関連している可能性が示唆された。現在、免疫組織化学染色によるCARMA1およびBcl10蛋白の組織局在を検討中であり、ウエスタンブロット法による蛋白発現の半定量化も予定している。なお、最近ではCARD11よりもCARMA1の名称が一般的である。
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Research Products
(2 results)