2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷チェックポイント遺伝子T‐fimbrinの消化器癌診断・治療への応用
Project/Area Number |
16590609
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 泰史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70322328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 浩三 札幌医科大学, 学長 (60117603)
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Keywords | T-fimbrin / アクチン結合蛋白 / 細胞周期制御 / 抗癌剤感受性 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
我々はこれまでに細胞周期のG2/M期におけるチェックポイント因子としてアクチン結合蛋白T-fimbrinを同定した.本研究はがんの悪性度および化学療法効果に関与する候補遺伝子としてのT-fimbrinの機能を詳細に解析し,従来の評価法を補完する新しい癌の診断・治療予測システムを開発しようとするものであり,以下のような成果を認めた. 1.ヒト腫瘍細胞株,症例におけるT-fimbrinのプロモーター領域のメチル化の有無を解析した.その結果,さらに胃癌,大腸癌,肝癌などの固形腫瘍に比べ,血液系腫瘍細胞株および症例サンプルにおいて,効率に異常メチル化によるT-fimbrin発現消失が認められることが明らかになった.臨床への応用をめざし,より簡便なDNAメチル化の検出法であるメチライト法による診断システムを構築中である. 2.T-fimbrinに対するsiRNAおよびshRNAを作成し,T-fimbrinの発現レベルといくつかの抗癌剤感受性との相関を解析した.その結果,T-fimbrinの発現抑制は,VP-16,CDDPなど細胞周期のG2/M期停止を引き起こすような抗癌剤の感受性を高めることが明らかになった.また細胞周期,アポトーシスの解析から,T-fimbrinの発現抑制は抗癌剤による細胞周期停止を減弱させ,結果的にアポトーシス誘導を促進した.以上よりT-fimbrinの発現が抗癌剤感受性の指標となるとともに,癌治療の標的となる可能性が考えられた.またT-fimbrinの発現抑制は細胞増殖には影響を及ぼさないが,細胞の接着能を著しく抑制することも明らかになった.
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Research Products
(6 results)