2004 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞特異的アダプター分子SAPの発現制御による新たな炎症性腸疾患治療法の開発
Project/Area Number |
16590630
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡本 晋 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70255446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / T細胞 / Th1 / SAP |
Research Abstract |
1)炎症性腸疾患患者の末梢血、大腸粘膜内単核球におけるSAPの発現異常の検討 末梢血中単核球よりCD4陽性細胞を分離し、SAP mRNAの発現を検討した。健常人10名、クローン病患者10名、潰瘍性大腸炎患者10名で検討したが、SAP mRNAの発現に有意差は得られなかった。大腸内視鏡施行時に生検にて得られた正常粘膜、Crohn病および潰瘍性大腸炎由来の病変粘膜においてもSAP mRNAの発現に有意差は見られなかった。(各5例検討) しかしながら大腸粘膜全体の生検検体では、その構成成分が一定でないため、Tリンパ球にのみ発現されるSAPの差につき検討することは困難であると判断し、現在手術検体よりCD4陽性細胞を分離し検討を進めている。 2)マウス大腸炎モデルの炎症部粘膜内単核球におけるSAPの発現異常の検討 TNBS免疫大腸炎モデルおよびCD45RBhi CD4陽性細胞transferモデルにおいて炎症部大腸粘膜より粘膜固有層リンパ球を採取し、MACSカラムを用いてCD4陽性細胞を分離し、SAP mRNAの発現をreal-time PCR法にて検討した。脾臓由来CD4陽性細胞に比較し、TNBS免疫大腸炎モデルならびにCD4陽性細胞transferモデル由来の粘膜固有層CD4リンパ球においてはSAP mRNAの発現が低下している傾向を認めた。現在、再現性につき再実験を進めており、SAP蛋白レベルの発現についても並行して検討する予定である。
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