2005 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肝疾患・肝癌の進展性規定と治療抵抗性形成におけるアディポサイトカインの役割
Project/Area Number |
16590633
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池嶋 健一 順天堂大学, 医学部, 講師 (20317382)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹井 謙之 順天堂大学, 医学部, 助教授 (10306954)
榎本 信行 順天堂大学, 医学部, 助手 (20348973)
|
Keywords | アディポサイトカイン / 抗ウイルス療法 / インターフェロン / 肝線維化 / 肝星細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究では非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)およびウイルス性慢性肝炎など種々の慢性肝疾患の発症・進展に及ぼす代謝性素因の関与について特にアディポサイトカインとの関連を中心に検討を進めている。 前年度の本研究により私たちはC型慢性肝炎の進展およびインターフェロン(IFN)治療抵抗性にアディポサイトカイン、特にレプチンが関与している可能性についてin vitroの系で明らかにしてきた。本年度はC型慢性肝炎のIFN治療抵抗性における代謝性素因の影響を明らかにする目的で、当科でIFN+リバビリン併用療法を受けたC型慢性肝炎患者の代謝性背景因子および肝脂肪化と治療効果の関連について臨床検討を行った。その結果、治療前の肝生検組織における肝脂肪化が強い症例ではウイルスのgenotypeに関わらずSVR率が低いことが明らかになった(Yaginuma et al. Hepatol.Res. 2006)。また、耐糖能異常や高血圧などの他の代謝性素因もIFN治療に影響を及ぼしており、特にこれらの代謝性素因の重複がIFN治療における難治性形成に重要な役割を担っていることが明らかになった。これらの病態の背景因子としてのアディポサイトカインの役割について現在検討を進めている。 一方、脂肪性肝炎の進展に伴う肝線維化のメカニズムに関しては、肝星細胞のTGF-βによるコラーゲン遺伝子発現調節メカニズムの詳細について検討し(Tsukada et al. J.Biol.Chem. 2005)、さらにウルソ酸による肝星細胞のアポトーシス誘導とそのメカニズムについて解析を行っている。
|
Research Products
(6 results)