2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性肝炎における制御性T細胞および樹状細胞の役割と両者の関係の解析
Project/Area Number |
16590644
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
奥村 明彦 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70288512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 哲也 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10288508)
各務 伸一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10115545)
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Keywords | 制御性T細胞 / 自己免疫性肝炎 / Foxp3 / TNF-R-SF18 / CTLA-4 / CD28 |
Research Abstract |
制御性T細胞(Tr)はそれ自身の細胞表面上に発現しているT細胞レセプター(TCR)、IL-2レセプター(IL-2R)、TNFRSF-18(glucocorticoid-induced tumor necrosis factor-nerve growth factor : GITR)、CTLA-4、CD28、そしてToll-like receptors(TLR)などからの刺激により活性化されたり、あるいはその機能が抑制されたりすることが知られている。我々は、自己免疫性肝炎(AIH)と診断された15症例(男性2例、女性13例)、コントロールとして健常人12名を対象として、末梢血液から分離した末梢単核球(PBMC)をさらに磁気ビーズを用いてTrとCD4^+CD25^-T細胞に分画化した後、それぞれからRNAを抽出し、リアルタイムPCR法によりFoxp3、TNF-R-SF18、CTLA-4、CD28の各遺伝子の発現量を比較した。 Tr中のFoxp3のRNA量は健常人に比べてAIHでは有意に減少していたが、TNF-R-SF18のRNA量は健常人に比べてAIHでは逆に増加していた。CD28のRNA量は健常人とAIH間で差を認めなかった。また、CD4^+CD25^-T細胞中のCTLA-4のRNA量は健常人とAIH間で差を認めなかったが、Tr中においてはAIHで有意に減少していた。 AIHにおいて、TrにおけるFoxp3、TNF-R-SF18、CTLA-4、の各遺伝子の発現プロフィールが健常人と異なっていたことは、Trの機能異常がAIHの病態に関与している可能性を示唆するものと考えられた。
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