2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性肝炎における制御性T細胞および樹状細胞の役割と両者の関係の解析
Project/Area Number |
16590644
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
奥村 明彦 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70288512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 哲也 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10288508)
各務 伸一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10115545)
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Keywords | 制御性T細胞 / 自己免疫性肝炎 / Toll-like receptors (TLR) / Foxp3 / CTLA-4 / サイトカイン / IL-10 |
Research Abstract |
自己免疫性肝炎(AIH)患者の末梢血中の制御性T細胞(Tr)においては、Trの機能を増強するFoxp3およびCTLA-4のmRNA量が健常人に比べて有意に減少していることが確認された。実際にTrの機能低下の状態を調べるため、分画化したTrにOKT3を添加、培養した後にReal Time PCR(RT-PCR)法にて各種サイトカインのmRNA量を測定した。健常人ではOKT3刺激後にIL-10のmRNAが増加したが、AIHにおいてはOKT3刺激後もほとんど増加は認められず、AIHにおいてはOKT3刺激への反応性が有意に低下していた。このことよりTrの機能異常がAIHの病態に関与している可能性が示唆された。また、最近Tr自身がToll-like receptors(TLR)を発現していることが示され、Foxp3やCTLA-4などの分子と同様にTLRを介した刺激がTrの機能に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられている。このためAIH患者の末梢血中のTrに発現しているTLRについて、TLRのmRNAレベルの発現量をRT-PCR法により検討し、健常人・C型慢性肝炎(C-CH)患者との比較を行った。AIHのTrにおけるTLRの発現パターンは健常人のTrとほぼ同様であった。TLR2,4,6,7,8についてはC-CHにおいて発現が亢進しており、特にTLR6が健常人およびAIHに比べ高発現を示した。一方、TLR9については逆にC-CHにおいて健常人およびAIHに比べ発現がやや抑制されていた。また、TLR9の発現については、健常人およびAIHにおいてはTr以外のCD4陽性T細胞分画よりもTr分画に多く発現している傾向が見られたが、C-CHでは両者間に差が見られなかった。このことから、AIHとC-CHではTLRを介したTrの活性化の状態が異なっている可能性が示唆された。
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