2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590647
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
光山 慶一 久留米大学, 医学部, 助教授 (20200066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 努 久留米大学, 医学部, 助手 (70279157)
富安 信夫 久留米大学, 医学部, 助手 (20289424)
鈴木 飛鳥 久留米大学, 医学部, 助手 (30341324)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 血管内皮前駆細胞 / 再生医療 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 血管新生 |
Research Abstract |
今年度は、炎症性腸疾患患者末梢血中における血管内皮前駆細胞(EPC)と血液幹細胞の動態について検討した。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、感染性腸炎、健常人から末梢血を採取し、比重遠心法により単核球を分離した。単核球をゼラチンコートした培養皿上で下垂体抽出液を含む培養液で培養しEPCに分化誘導させ、Endothelial marker、Hematopoietic markerであるacLDL、Lectin、VE-cadherin、vWF、CD31、KDR、CD34、CXCR4を用いた蛍光免疫染色とフローサイトメトリーによりEPCの確認を行なった。その結果、活動期潰瘍性大腸炎では、健常人、クローン病、感染性腸炎に比較してEPCの有意な低下を認めた。さらに潰瘍性大腸炎のEPC数はヘモグロビンとの正の相関、血小板数との負の相関を認めた。一方感染性腸炎では、健常人に比較してEPCの有意な増加を認めた。つぎにMethoCult^<TM>を用いてColony Assayを行ない、BFU-E、CFU-G、CFU-GM、CFU-GEMMおよびCFU-Fの各コロニー数をカウントした。Colony Assayでは、BFU-E、CFU-G+GM、CFU-GEMMコロニー数は各疾患群間で有意差を認めなかった。CFU-Fコロニーはいずれの群でも形成されなかった。潰瘍性大腸炎ではEPCの減少がみられ、その原因の1つとして血液幹細胞からEPCへの分化異常が関与している可能性が示唆された。EPCまたはその誘導体の投与が炎症性腸疾患の新たな治療法となる可能性が示唆された。今後動物実験によりEPCの炎症性腸疾患での役割を検討する予定である。
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