2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590649
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
坂本 雅晴 久留米大学, 医学部, 助手 (60248367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 隆登 久留米大学, 先端癌治療研究センター, 教授 (70176618)
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助手 (30341332)
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Keywords | estrogen / NO / 肝血流 / 門脈圧 |
Research Abstract |
【目的】肝硬変モデルラットにおいて肝血流や門脈圧に対する外因性エストロゲンの効果について検討した。 【方法】In vivo : dimethylnitrosamine(DMN)による肝硬変モデルラットを作製した。DMN処理後にestradiol valerate(0.3mg/100g body weight)を1週間、2回皮下注した(E2群)。同期間オリーブ油を投与したラットをコントロール群とした。門脈圧とlaser Doppler血流計による肝血流を測定した。また肝線維化の評価のためAzan-Mallory染色による標本のmorphometryと血清ヒアルロン酸(HA)値の測定を行った。In vitro:DMN処理後の肝硬変ラットより分離培養した類洞内皮細胞(SECs)を用いた。1ng/mL β-estradiolを培養上清中に24時間添加し、一酸化窒素(NO)indicatorであるdiaminofluore-scein-2 diacetate(DAF-2DA)を使用してSECs内NOの変化を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。 【結果】In vivo : E2群はコントロール群に比べ門脈圧の有意な低下、HBFの有意な上昇がみられた。肝線維化の程度はE2群がコントロール群に比較して有意に改善し、血清HAも有意に低下した。In vitro:β-estradiol刺激の培養SECsにおける細胞内NOの蛍光強度は非添加群に比べ増加した。また、NO合成酵素阻害剤であるNG-monomethyl-L-arginineによりその蛍光強度は抑制された。 【結語】今回の検討より、肝硬変モデルラットにエストロゲンを投与すると有意な門脈圧の低下および肝血流の増加が示された。それらの結果はSECsからのNO産生促進および肝線維化の改善が関与しているものと思われた。
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Research Products
(3 results)