2004 Fiscal Year Annual Research Report
Skp2を標的とした肝癌化学療法:細胞周期同調を利用した新戦略
Project/Area Number |
16590652
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
古賀 浩徳 久留米大学, 医学部, 講師 (90268855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 大 久留米大学, 医学部, 講師 (00241175)
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Keywords | Skp2 / PPARγ / p27 / MRP2 / SOD / Bcl-xL / G1 arrest |
Research Abstract |
平成16年度は、研究課題の計画に対し以下の検討をおこなった。1):Troglitazone(Tro)、Pioglitazone、Ciglitazone、Rosiglitazone、PGJ2の中で、最も強力にG1 arrestを誘導したのはTroであった。その機序として、p21の転写レベルでの発現誘導やp27の翻訳後の細胞内蓄積が考えられた。p27蓄積の機序のひとつとして、p27を基質とするF-box蛋白であるSkp2の転写レベルでの発現減弱が考えられた。その他、PPARγとSkp2が結合していることも示され、PPARγリガンドの添加でSkp2がユビキチン依存性に分解亢進を受ける機序も関与していることも示唆された。2)および3):肝癌細胞をTroで処理しG1期の細胞、S期の細胞を得た。G1期ではp-Aktはやや減少したがBcl-xLが増加していた。興味深いことにMRP2(cMOAT)の発現は著減していた。SODはやや減少していた。一方S期では、p-Aktはさらに減少していたがBcl-xLは微増にとどまっていた。MRP2(cMOAT)の発現はやや回復の傾向を認めた。SODはさらに減少した。これらのことから、G1期の細胞は薬剤排泄能が乏しいもののBcl-xLによりある程度アポトーシスを免れうることが示唆された。一方S期の細胞はBcl-xLの発現は保持されているものの、薬剤排泄能の回復が完全でない上に酸化ストレスに対し脆弱であることが示唆された。すなわち、G1後期からS期にかけて酸化ストレスを惹起させるDNA合成阻害剤を使用すると効果的であることが予想された。4)および5):アドリアマイシン、シスプラチンに関し肝動脈内注入を想定し、2,3時間での暴露で効果的に殺細胞効果をあげる条件を設定中である。また、CDK inhibitor、Skp2 siRNAとの比較も引き続き検討中である。
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Research Products
(2 results)