2004 Fiscal Year Annual Research Report
高効率複製系を用いたC型肝炎ウイルスの複製増殖機構の解析
Project/Area Number |
16590653
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
脇田 隆字 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (40280789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 道子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40190821)
加藤 孝宣 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20333370)
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Keywords | HCV / ウイルス / ウイルスゲノム複製 / 肝臓癌 / 慢性肝炎 / インターフェロン |
Research Abstract |
HCVは感染すると持続感染化し、慢性肝炎から肝細胞癌を発症する。その治療はインターフェロンとリバビリン以外にないが、その効果はいまだ不十分である。培養細胞によるHCVの良いウイルス培養系が無いことが新たな治療法の開発の妨げになってきた。これまでにない高い効率で培養細胞において複製可能なJFH-1株を用いて、ウイルスRNA複製系およびウイルス感染系を確立し、その機構を解析し、新たな抗ウイルス戦略の構築に供することが本研究の目的である。 HCVの全長ウイルスゲノムをコードする構築の作製: JFH-1株の全長ウイルスゲノムをプラスミドベクターのT7RNAプロモーターの下流に再構築した。この構築から全長のウイルスRNAを試験管内で合成した。コントロールとしてNS5BがコードするRNA複製酵素の活性中心のアミノ酸配列モチーフであるGDDを変異または欠失させた変異クローンを作製した。 HCVの全長ウイルスRNAの培養細胞内での複製増殖: 試験管内で合成した全長のウイルスRNAをエレクトロポレーション法でHuh7細胞に導入する。ウイルスRNA導入後、経時的に細胞および培養上清を回収した。細胞中でのウイルスの複製はRNAを抽出して、ウイルスゲノムをノーザンブロットおよび定量的RT-PCR法で検出した。さらに、ウイルスのタンパク質発現をウエスタンブロット法、免疫染色法で検出した。ウイルスRNAを細胞に導入後、培養上清中のウイルスRNA量を定量的RT-PCR法で検出した。上清中のHCVコア蛋白は高感度EIA法で検出する。さらに、培養上清をシュクロースまたはセシウムの密度勾配遠心により分画し、各分画中のウイルスRNAとコア蛋白質を定量した。ウイルス粒子の比重は約1.17g/mlであった。
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Research Products
(7 results)