2004 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンIIとマクロファージ遊走阻止因子の相互作用による虚血組織内血管新生
Project/Area Number |
16590654
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
福澤 純 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40333695)
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Keywords | マクロファージ遊走阻止因子(MIF) / 血管内皮増殖因子 / マトリックスメタロプロテイナーゼ / 虚血 / MIF過剰発現マウス / MIF中和抗体 |
Research Abstract |
アンジオテンシンIIにより発現がコントロ-ルされるMIFの虚血部位の血管新生に対する効果およびその機序を解明し、将来的な虚血組織の血管新生(再生)療法の応用を検討することを目的とした。そのために、MIF過剰発現マウスを用いたin vivo(下肢虚血、心筋虚血)、および培養細胞を用いたin vitro(アンジオテンシンIIによるMIF発現の調節機序)の検討を分子生物学的、細胞生物学的、および生理学的手技を用いて行うこととした。野生型およびMIF過剰発現マウス(ジェネティックラボの西平博士より分与)に対して大腿動脈結紮による左側下肢骨格筋の虚血を誘発する。それぞれに抗MIF中和抗体(腹腔内)投与を行いその抑制効果を確認した。それぞれの群における虚血部位(骨格筋)の血管新生をレーザードプラー血流イメージ、血管造影およびvon Willenbrand因子に対する免疫染色により評価した。また血管新生機序に関わる因子である血管内皮増殖因子VEGF、およびマトリックスメタロプロテイナーゼMMPの発現の確認をおこなった。その結果、MIF過剰発現マウスでは虚血による骨格筋(下肢)血管新生が増強していた。これと同時にVEGFのメッセージおよび蛋白レベルは上昇しており、MMP2は不変にもかかわらず、MMP9がメッセージレベルおよび蛋白レベルで増加していた。これらの現象はMIFの中和抗体の腹腔内前投与により抑制された。
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