2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性不整脈のtrafficking異常とその治療法に関する研究
Project/Area Number |
16590664
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
相澤 義房 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50143780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塙 晴男 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40282983)
鷲塚 隆 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00301185)
池主 雅臣 新潟大学, 医学部, 助教授 (40303151)
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Keywords | 遺伝子性不整脈 / チャネル蛋白 / 電気生理学 / Trafficking |
Research Abstract |
不整脈の高度先進医療の承認を受け遺伝子異常の検査を施行してきた。対象はQT延長症候群、Brugada症候群、催不整脈性右室心筋症およびカテコラミン感受性多形性心室頻拍である。全例検索に当たり、遺伝子検索に関する説明の上同意書を取得した。 特にLQT1とLQT2の検索が進んでおり、これまでにQT延長症候群では21例の検索で67%に異常を認めた。これは従来の異常発見率に比べ高値に属すると考えられた。また、そのうち新規の異常が5例含まれており、遺伝子発現実験と電気生理学的手法によりチャネルの機能の解析を進めている。またカテコラミン感受性多形性心室頻拍例でも、本邦から初めの異常例が確認され、かつ従来の報告にない新規の遺伝子異常の発見であった。現在細胞に発現させて機能解析を行うとともに、traffickingの有無を見るために細胞内動態を確認中である。 これまでの検討において、遺伝子変異による1アミノ酸の置換によりチャネル蛋白の膜への輸送の障害即ち、Trafficking異常例が確認された。これはC末端の切断実験で報告されているtraffickingに必要な部位と明らかに離れた部位でのアミノ酸の置換であり、これまでの報告とは異なる機序によると考えられる。このため、C末端におけるこの様なアミノ酸異常をチャネル蛋白の構造の関連から検討している。 またtruncated channel蛋白が正常蛋白と重合し、trafficking異常をきたしていることも判明し、その結果膜でのチャネル機能の減少ないし消失(dominant negative suppression)することも明らかにできた。 現在、異常遺伝子からのRNAを介しての蛋白合成の制御を行い、異常蛋白を減少せその結果正常蛋白との重合が阻止できるかを検討するためのモデルを作成している。
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Research Products
(6 results)