2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590671
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80314029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30293632)
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50252177)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
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Keywords | ミトコンドリア / 膜電位 / 心不全 / β受容体 / 活性酸素 / 自家蛍光 |
Research Abstract |
心不全の治療において、β1受容体阻害剤は重要な治療方法として確立しているが、β1受容体阻害剤による心筋保護の機構については不明な点が多い。ミトコンドリア(mito)内膜には、β1受容体刺激後のシグナル蛋白であるprotein kinese A(PKA)のアンカー蛋白が存在することが報告され、β1受容体刺激後の細胞内シグナルによるmito機能への修飾が注目される。本研究では、細胞膜を除去したラット心筋細胞において、PKAのcatalytic subunitを灌流してmitoの酸化還元状態(FAD自家蛍光)とmito内膜の膜電位(ΔΨ_m)の変化を検討した。前年度までの報告で、(1)FAD自家蛍光はPKA catalytic subunitによって容量依存性に増加し、この変化はPKA catalytic subunitの阻害剤であるPKIにより抑制されること。(2)ΔΨ_mはPKA catalytic subunitによって容量依存性に脱分極し、この効果はPKIにより抑制されること。(3)PKA catalytic subunitの投与により、活性酸素種(ROS)発生の指標となるmito内でのDCF蛍光強度は増加し、この効果はROSスカベンジャーであるtroloxにより抑制さることを報告した。 今年度は、ROSによるΔΨ_mやFAD自家蛍光への効果の発現機構を検討した。ΔΨ_mの脱分極にはpermeability transition pore(mPTP)とinner membrane anion channel (IMAC)の関与が報告されている。MPTPのinhibitorであるcyclosporin AはPKA catalytic subunitによるΔΨ_mの脱分極を抑制しなかったが、IMACのinhibitorであるDIDSはΔΨ_mの脱分極を抑制した。PKAのmitoに対する効果には、ROSの産生増加とIMACの活性化が関与することが示唆された。
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Research Products
(5 results)