2004 Fiscal Year Annual Research Report
リアノジン受容体安定化ペプチドの心筋細胞内導入による心不全抵抗性の獲得
Project/Area Number |
16590689
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
矢野 雅文 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90294628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 安宏 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00260349)
山本 健 山口大学, 医学部, 助手 (50363122)
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Keywords | 心不全 / 筋小胞体 / リアノジン受容体 / カルシウム |
Research Abstract |
心不全時には筋小胞体のCa^<2+>放出チャネルであるリアノジン受容体(RyR)から、その調節蛋白FKBP12.6が解離することにより、異常なCa^<2+> leakが生じ、収縮、拡張障害を惹起しうる。一方、ARVDやpolymorphic VT(pVT)においてRyRの突然変異は特定ドメイン(N-terminal:0-600,Central:2000-2500)に集中している。興味深いことにRyRの突然変異の結果生じるチャネルのCa^<2+>感受性増大は、心不全時にFKBP12.6がRyRから解離して生じるCa^<2+>感受性増大に酷似している。 (目的および方法)pVTの突然変異部位を含む合成ペプチド(Domain peptide:DPc10:N-terminalとCentralのドメイン連関障害を惹起)およびRyR安定化domain peptideを用いて、pVTや心不全時のRyR機能異常の機序を解明し、心不全治療に応用する。 (結果)1)正常RyRにおいて、DPc10およびFK506(RyRからFKBP12.6を解離させる)はいずれもN-terminalとCentral間のドメイン連関障害を引き起こし、その結果、Ca^<2+> leakや心筋細胞の収縮障害をもたらした。2)不全心RyRではすでにドメイン連関障害をきたしており、正常RyRにDPc10を添加した際の変化に酷似してした。3)RyR安定化薬のJTV519はRyRのドメイン連関障害を是正することにより、RyRからの異常なCa^<2+> leakを抑制し、不全心筋細胞の収縮機能障害を是正した。4.RyR安定化domain peptideは不全心筋細胞内ドメイン連関障害を是正することにより収縮機能を改善した。 (結語)新しい心不全治療戦略としてのRyRチャネル安定化の詳細な機序が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)