2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞増殖因子受容体活性化による新たな血管新生療法の研究
Project/Area Number |
16590697
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菅野 公浩 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20206395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾山 純一 九州大学, 大学病院, 助手 (30359939)
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Keywords | tyrosine phosphatase / SHP-1 / angiogenesis / apoptosis / hindlimb ischemia |
Research Abstract |
ラット下肢の虚血モデルにおいて、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は増加するもののTNFも増加するため、TNFのチロシンフォスファターゼにより、VEGF受容体のチロシンリン酸化が阻害され、血管新生が充分に起こらない可能性がある。そこで、ラット下肢の虚血モデルにおいて、チロシンフォスファターゼ阻害剤の反復投与にて、VEGF受容体のチロシンリン酸化が活性化し、下肢の血流が増加する事を報告した。細胞内では、SHP-1が、チロシンフォスファターゼの本体であると考えられるので、SHP-1を標的としたsmall interfering RNA(siRNA)を用いて、血管内皮細胞の増殖及び血管新生について検討した。下肢の虚血モデルにおいて、SHP-1が増加し、SHP-1 siRNAの投与によりin vitro及びin vivoにおいて、血管内皮細胞の増殖及び血管新生がおこることを報告した。一方、SHP-1は細胞のアポトーシスを起こすこと、Aktのリン酸化を抑制することが知られている。急性心筋梗塞において、アポトーシスが梗塞範囲の増加の要因の一つであり、Aktは梗塞範囲の減少をもたらす。そこで、急性心筋梗塞におけるSHP-1の影響について、small interfering RNA(siRNA)を用い検討した。急性心筋梗塞モデルにおいて、心筋のSHP-1は増加し、SHP-1 siRNAプラスミド投与により、心筋のアポトーシス及び心筋梗塞の範囲を減少させる事、心筋梗塞後の心機能及び梗塞範囲を改善させることを報告した。
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Research Products
(4 results)